「モンスターハンターの映画版じゃなくモンスターハンターワールドのスピンオフ作品として良作。次回作が気になる」モンスターハンター 神社エールさんの映画レビュー(感想・評価)
モンスターハンターの映画版じゃなくモンスターハンターワールドのスピンオフ作品として良作。次回作が気になる
モンスターハンターシリーズはG、P〜P3、3、X、XX、ワールド、アイスボーン、RISEをプレイ済。
ポール・W・S・アンダーソン監督作品はバイオハザードシリーズ全て、エイリアンVSプレデターを観賞済。
モンスターハンターの映画化を同じくCAPCOMの看板作品バイオハザードの映画化を担当したポール・W・S・アンダーソン監督が監督すると聞いて、ミラ・ジョヴォヴィッチを活かす作品になるだろうなとは思いつつ映画版バイオハザード1作目の出来が良かったのと、ゲーム版にはない近代兵器装備の兵士がモンハン世界にやってくる設定だと聞いて気にはなってた。
公開中はスケジュールが合わず行けなかったものの、モンスターハンターワールドでのコラボクエストでの描き方は良かったので、モンスターハンターRISE SUNBREAK発売前にようやく観賞。
観終わって思ったのが、タイトルは"モンスターハンター"ながらモンスターハンターの映画化っていうよりも、"モンスターハンターワールド"のスピンオフ的な作品って意味合いが強く、シリーズ初心者よりもモンスターハンターワールドを遊んでた人だとより楽しめる作品かも。
モンスターハンターは作品ごとに(追加要素が入った完全版的な作品は除くほぼ全て)ハンターが活躍する拠点の地域が異なっていて、映画でやってくる舞台がモンスターハンターワールドの"新大陸"モチーフだったり同じくワールドでの"大団長"やアイルー(猫)の"料理長"、"受付嬢"や"陽気な推薦組""勝ち気な推薦組"に似たキャラクターの登場、ワールドではお馴染みの投擲装備"スリンガー"など映画オリジナルの箇所はあれど、ワールドをリスペクトして制作されていてワールドをプレイしていると感動する。
アルテミス役のミラ・ジョヴォヴィッチと"ハンター"役のトニー・ジャーのアクション演技も素晴らしく、ゲームそのままでは無いけれどリアルに寄せながらモンスターと渡り合う納得のアクションで鬼人化(劇中では双剣から炎が出る描写)も再現してるのは面白かったな。
ディアブロス亜種(トリケラトプスの様なモンスター)やネルスキュラ(大蜘蛛)、巨大リオレウス(飛竜)、ゴア・マガラ(髑髏頭の黒色のモンスター)はそれぞれゲーム以上に怖ろしく、近代兵器を装備した兵士やハンターでさえも呆気なく殺されていく様は、ゲームでプレイヤーが操作するハンター(やモンハンとコラボした作品のキャラクター)がふっ飛ばされながらも単独で太刀打ち出来ている事の凄さに改めて気付ける良い演出だった。
もちろんモンスター以外にも使用する武器の種類だったりモンスターの生息域、防具やアイテム、果てはアルテミス達がやってくる原因になった技術も限られた時間の中で最大限再現してやろうって気概を感じた。
モンスターハンターワールド:アイスボーンの設定資料集で、とあるモンスターが時間をジャンプして来ているっていう考察が記載される様になったのは(以前から描写はあったものの)、バイオハザード4で映画版バイオハザードのアクションが影響されて出来た様な良い影響を感じる。
ハンターが力尽きた後ネルスキュラの幼虫の住処として捕らえられるシーンも、原作ではレーティングの問題で描写出来ないもののあり得るシーンで個人的にはかなり良かった。
ハンター達の脅威になる大型モンスター以外にも小型のモンスターや草食のモンスターもそこまで種類は多くないもののキチンと描いていたり、仮拠点でハンターにもそれまでの人生があったことを感じさせる描写があったのも良かったと思う。
個人的に少し残念…というか勿体ないのは、この作品の公開時はリアルタイムでモンスターハンターワールド(のアイスボーン)がリリースされていたから面白さが伝わりやすかったものの、もっと後年になったらワールドの面白さとして組み込んでいた部分がプレイ出来ない環境になって理解されづらくなりそうな所。
続編が公開される時はそこをどうするのか(その時リリースされてるものに合わせるのかワールド準拠でいくのか)気になる。