「なんで、京都が舞台の作品で、キャスト全員が、関東イントネーションで喋ってんの???」HELLO WORLD キングオ-バ-さんの映画レビュー(感想・評価)
なんで、京都が舞台の作品で、キャスト全員が、関東イントネーションで喋ってんの???
ストーリー、構成はよかった。SFとしてもなかなか見応えがあった。そのあたりの評価は他の人が書いておられる高評価の意見に譲りたい。
しかしながら、この作品には、作品としての臨場感に大きく欠ける、壊滅的な要素がある。
この作品を観られた、京都在住の方、並びに京阪神在住の方々にとっては、耐え難い違和感があったものと思う。
京都の町を、緻密かつリアルに描いているのは、実に嬉しいことだが、登場する人物が、誰一人として、京都の言葉を話していない。
恐ろしいことに、「ガヤ」のシーンに至るまで、話されている言葉が、全て「関東イントネーション」で統一されている。
不自然この上なく、全くもって、京都らしさのカケラも感じない。
演出家の、感覚を疑わざるを得ない。
日本人キャストが、日本語で、外国が舞台の映画を撮るのとは、訳が違う。
まあ、中途半端な、耳障りな京都弁を使われるよりは、いくらかはマシかもしれないが、もしナチュラルな京都弁でアテレコするだけの人材確保と、方言指導ができないと判断したのであれば、舞台を京都ではなく、漠然と「どこかの都市」的な設定に変えるくらいの英断が必要だったのではないだろうか。
緻密な京都の描写と、国籍不明の台詞回しでは、作品が、実にちぐはぐな物になってしまう。
「京都に失礼だ」とまでは言わないが、作品として非常に残念で後味の悪い物になってしまった。
反論も多々あるかもしれないが、京都を愛する一個人の率直な思いとしてご理解いただきたい。
決して「関東イントネーション」自体を嫌ってるわけではないので、誤解のなきように。
コメントする