「THE ONE」HELLO WORLD にょむさんの映画レビュー(感想・評価)
THE ONE
面白かった( ^ω^ )
堅書が好きなジャンルの"SF小説"を体現したような作品
個人的には「mission8minutes」と被る部分もあって惹き込まれた
青春ファンタジーでも差し支えはないけど、クラスメイトとの絡みはそれほどなかったので…
序盤若干のもたつきを感じて不安だったけど杞憂だった
軽快な展開は作画の分かりやすさも貢献している
CG使ってるのは分かるし、若干の違和感もあるけどそれが気にならないスムーズさもある
終盤の敵との攻防はやはりCGならでは
*先に注釈、高校生の方が、堅書(漢字表記)
大人の方が、カタガキ(カタカナ表記)
理屈で考えるとやはり、ん?と思う点はある
カタガキが元に戻ったと勘違いした世界が結局、バックアップデータ内であるならば、なんで戻れなかったの?単なる失敗?
それを制御するべく四苦八苦していたスタッフも同じ世界にいて、その中で制御システムの停止をした…
というか、システム停止してもターゲットが高校生の一行、そしてデータ改ざん犯のカタガキである事は把握されているんだから、元いた世界に戻ったら責任問題を問われるのでは…?それともそういうのはない?
過去の世界の行動記録を個人レベルの情報で無限に記録してるのを、なんでやってるのかは(説明聞き逃しただけかもだけど)分からなかった
過去のデータ内の人物に独立した自意識があるのは謎だし、そのデータの修正を"過去の自分と協力して"という「データ内でのアナログ作業」でやる、というのが不思議でした
過去データにリアルタイムでのタイムラインがあるのは釈然としない
最後、現実世界のカタガキが病院で目覚めるシーンは察しますけど、その分岐点の詳細は端折らないでほしかった
つまり水面下での一行の活躍も明確に描いて欲しかったですね
この映画では堅書の存在を「過去のデータである」と明確にしていますが、世界を構成する謎が "コンピューターで管理された世界である" と判明していて、そこに自我があるのならばそれも生命体であると認識すべきか
この深読みは作品とはあまり関係ないけど、カタガキの世界も実はまるごとハローワールドという可能性も考えると面白い
脳死からの回復が医学的論理に照らし合わせて映画的な方法で可能か?といえば、医学的に無知な私でも荒唐無稽SFなのではと思う
しかし、カタガキ自身が"堅書と同じ"記録された或いは作られたデータだとしたら?
一行の脳死からの回復(復元)も、ラストシーンでのカタガキの回復も同じ理屈で納得できる
ハローワールドという単語が何から採用されたのかを考えれば腑に落ちなくはない
"自分だけは作られた世界にいない"
何故そう思えるのか?
ただ原作込みの解釈を参考にすると現実世界はちゃんとあって、八咫烏(三本足のカラス)を使っていたのは現実世界(未来の)一行との事
声が違ったからもしかしたら映画的な設定ではそうではないのかもだけど…
確かにこれであれば時系列的な歴史としての改ざんとは違うのでタイムパラドックスは起きないですね
古本市エピソードにある、記憶の共有の差異というエラーは起こり得ますけど
というとこの話は高次元医療の話にも見えてきました