「ハローワールドの意味と記録に感情は宿るのか」HELLO WORLD edamondoさんの映画レビュー(感想・評価)
ハローワールドの意味と記録に感情は宿るのか
小説の方は読んでいません。
考察アニメとしては大変面白い作品と思いました。これが攻殻機動隊やエヴァンゲリオンの90年代後半のユーザーに考察させるアニメ絶頂期の頃ならば結構受けていたのではないかと思います。
アニメーションは3DCGっぽさは残りますが比較的違和感なく動いていたと思います。また、3DCGの本領といったようにぐりぐりカメラが動き躍動感のある映像が大変魅力的でした。ただ走るシーンに関しては少し残念感がありますね……
また、ラスト1秒でひっくりかえるというキャッチコピーでしたが主人公がSF好きや大人カタガキの世界でセキュリティが出たあたりで、なんとなく察しがついてしまいラストが単なる答え合わせになってしまったのが個人的に申し訳ないと思ってしまいました。
あとは声優ですが、やはり本業の方ではないので多少気になったりしましたがまぁなんとか大丈夫でした。
ここから考察になります。劇場で見ている際に気になって後で考えたものです。
今回のお話はデータ世界の中にある精神(記憶)を元の世界へリンクさせて脳死の人を蘇らせるという点でつながっています。
仮に、ラストの大人一行さんの世界が第一世界、大人カタガキの世界が第二世界、子供堅書の世界が第三世界として考察します。
まず第三世界は何なのかという点でしょうか。これは第二世界が記録データ世界だったというラストから記録データ世界内にある記録データの世界ということがわかります。
次に、第二世界に第三世界一行が来た際、第二世界カタガキを拒んだ点です。これは、第三世界堅書が古本市を行ったからでしょう。起きた時にあの本という単語から推測でき、第二世界カタガキの記憶では古本市を行っていない為、ここで互いに意識の違いが発生しています。ということは堅書スキスキという精神状態はリンクしても気持ちという感情は完全一致しないことになります。まぁ記録データ内の人間に感情があるのか否かという点は置いておきましょう。
そして個人的に一番なんだ?と思ったのが、第一世界は一体どの世界線なのかという点です。第二世界が第三世界の十年後とすると第一世界はそのさらに後なのか、それとも違う世界線なのか。一番しっくりきたのが、花火大会で落雷の際に一行をかばって一行の代わりにカタガキが脳死した世界なのではないかという考察です。ラストの精神状態が100%リンクした理由は、第一世界の「一行の代わりに身代わりとなって助けた精神」と第二世界の「第三世界堅書の代わりに身代わりとなって消えようとした精神」が第一世界の器へ入れることができた要因ではないでしょうか。キャッチコピーのラスト1秒でひっくり返るというところからも、雷に打たれた人がひっくり返り、救助する人とされる人がひっくり返るのではないかと考えます。
ただ、この考察だと第二世界のカタガキは脳死した一行を蘇らせるために脳死した直前の高校生一行の精神を持ってこようとしたのに対し、第一世界一行は第二世界で代わりに自分が雷に打たれ脳死し、第三世界一行の精神をもってこようとして失敗したカタガキが第三世界堅書の身代わりになろうとしたカタガキの精神を持ってこようとするため、とてもややこしいことになっています。まぁ第一世界一行が高校生の精神状態のカタガキを第一世界のカタガキにリンクさせるより、代わりに自分が死んで精神が強くなった10年後カタガキを第一世界のカタガキにリンクさせたほうがいいみたいなことを考えたということにすれば問題はないんでしょうが……
あとは一行と堅書が戻った後の第三世界でしょうか。堅書が誰も知らない新しい世界みたいなことを言っていますが、これは第二世界でアルタラが停止され記録データ内の第三世界が第二世界の干渉を受けなくなったということで、なにものにも縛られない新しい未来が作れるようになった第三世界のことを言っていると考えます。ここで意味を持ってくるのが映画タイトルのハローワールドなのではと思います。ハローワールドと言えばプログラミングをやったことがある人ならばわかると思いますが、どの言語においてもまずhello worldを表示させてみようというプログラムが一番最初に教えられます。要は物語の主軸である第三世界が新しいプログラム(世界)に来ましたよということで、このハローワールドという映画のタイトルになっているのではないかと考えます。
大体こんな感じでしょうか。見ているときなんだ?と思って考えてみたものが以上となります。
色々と考察することができる面白いアニメーションだったと思います。
第一世界が一体どの世界線なのかという点ですが、これは小説においてカタガキが2027年の世界において一行の代わりに落雷に打たれ脳死状態となった20年後とされており、2047年の世界となっている とのことです。
47年の現実世界に生きる一行がカタガキの意識を取り戻せたのは仰る通り、脳死となった当時の精神状態と堅書くんを助けるため自らが犠牲になったカタガキの精神状態がシンクロしたから なんでしょうね。
単に複製したのではなくて、
一行さんの希望も叶えて複製したってことですね。
自由になんでも創造できるのだから、
そういう事なんですね。
なんか、こんがらがってました。
ありがとうございました。
Hinotama様
古本を運ぶエピソードの時にカードの最初に名前を書きたいと言っていましたね。
あのあと古本が燃え、第三世界の堅書がグッドデザインで1箱分の本を作り直しました。
ここで読みたいと言っていた本の貸出カードの最初に一行さんの名前を書いたのだと思います。
その後古本市が終わり取り置いてある本の貸出カードの一番最初に一行さんの名前が書いてありました。
恐らくここで第三世界の一行さんもなにか感じ取っていたのではないかと思います。
だからこその第二世界へ精神が移動したあとの一行さんが最初にあの本……と口にしたのではないかと思っています。
はじめまして。質問です。
古本市のおじいさんの本運ぶエピソードで、図書カードの最初のヒトになりたいって言ってました。
そして、その後、古本の図書カードの最初の行に、
一行さんの名前がありました。
これって、2027以前にも一行さんが、
行ってたって事でしょうか?
見間違いかなー?