「彼は、青い友達」ソニック・ザ・ムービー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
彼は、青い友達
日本生まれで世界的人気のゲームがハリウッドで実写映画化され、またしても大ヒット。
それが、俊足の青いハリネズミ、ソニック!
ゲーム界で、任天堂のマリオと並ぶSEGAの名キャラクター。
勿論知らない訳ないが、どうしてもゲームはマリオ派なので、このソニックシリーズはちょこっとかじった程度。
そんなソニック鈍足者の感想は…
宇宙の果ての星にある島で自由気ままに暮らすソニック。が、その力を狙われ、窮地の所を育ての親のロングクローが他惑星へワープさせる事が出来るリングを使ってソニックを地球へ。
以来10年、田舎町でのんびり過ごしていたが、ある日騒ぎを起こしてしまい、マッドサイエンティストのロボトニックに狙われてしまう。ロボトニックはソニックの力を使って恐ろしい野望を企てようとしていた。
逃走中、ワープでリングをサンフランシスコの超高層タワーに落としてしまったソニック。町の保安官トムと出会い、ロボトニックの追跡をかわしながら、サンフランシスコへ…。
SF、アクション、アドベンチャー、コメディ、予定調和だが感動とハッピーエンドまで。
尺も100分弱と見易く、快速エンターテイメント。
ストーリーはゲームに添っているのかオリジナルなのか分からないが、気軽に楽しめた。
最大の魅力はやはりこの青いハリネズミ!
キザで自信家でクールでお喋り。
まあかなり面倒臭くはあるが、でも憎めない。
俊足キャラの見せ場の一つ、高速移動シーン。周りが超スローモーションになり、その中で悪戯…いや、助ける。
スピードが売りなだけに、チェイス・シーンも。
クライマックスはロボトニックと世界を股に駆けた失踪感ある大チェイス!
振り回す者、振り回される者。
追われ、追う、珍道中。
その中で育まれる友情。
話は王道中の王道。
ジェームズ・マースデンも“ドーナツ卿”に相応しい好演。
しかしこういう作品の場合、ヴィランがユニークでなければ面白くならない。
心配ご無用。
ソニックも魅力だが、それと等しいくらい、久々にジム・キャリー劇場開幕!
登場からハイテンション。オーバーリアクションは役にぴったり、顔芸、ダンスまで披露。
一応悪役なのに爆笑誘い、彼もまた何故だか憎めない!
最近低迷していた感あるジムだが、抜群のコメディセンスで、かつてのジムのキレを見た。
尚、ロボトニックに忠実な部下とのやり取りも個人的に(((*≧艸≦)ププッ
そう、心地よいくらいのハリウッド王道作品である。
オレ様なソニックだけど、人知れず心に抱く孤独。
自分が起こした騒ぎにより、地球を離れなければならない。
が、地球を好きになり、離れたくない。
そんな時、初めてとも言える友。
友はロボトニックに言う。
「ソニックはお前なんかよりずっと人間だ」
ソニックの力だけを狙い、彼の心など全く知らぬどころか、単なる“宇宙生物”扱いするロボトニック。
ただの宇宙生物でも青い悪魔でも青いハリネズミでもない。
彼は、ボクたちの心を目にも止まらぬスピードでほとばしる友達。
監督はゲームにも関わった事あるらしく、そのソニックLOVEは本物。
欲を言えば、せっかく日本生まれのゲームなので日本のシーンも挟んで欲しかった。
また、アメリカでの大ヒットは、映画映えするようなキャラvsジムという如何にもなハリウッド軽快エンタメだから…って気もするが、それでも昨年の『名探偵ピカチュウ』に続いて日本生まれのゲームがハリウッドで映画化されて連続ヒットしているのは素直に嬉しい。
エンディング後の2段オチも含め、続編も期待出来そう。
ロボトニック、本当にクリスマスには帰ってくるのかな…?
全く、ゲームばかりやって。頭がバカになるぞ…と、親に注意された人は多い筈。
しかし今、ゲームは大金稼げる競技にもなり、ハリウッド映画のネタにもなり、まさに宝庫。
次は何かな?…と、期待しちゃうんだな、これが。
(イルミネーション・スタジオがCGアニメで製作するというゲーム界のスーパースターはいつ見られるのかな?)
追記
最初のキャラデザインが不評で一度延期になったけど、さすがにアレじゃあ友達にはなれないよね…。