「ただのホラー映画ではない」アス 菩薩の申し子さんの映画レビュー(感想・評価)
ただのホラー映画ではない
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よかったところ
突然大きな音を立ててびっくりさせる安っぽい手法が使われていなかった。
ところどころに笑えるポイントがあり、緊張と緩和のバランスが取れていて観ていてしんどくなかった。
エンタメ映画でありながらメッセージ性もあるジョーダンピール監督らしい仕上がりになっていた。
音響によって上手く緊張感を感じさせていた。
よくないところ
もともと地下に住んでいた主人公が記憶を無くしていたことにはあまり納得ができなかった。記憶を無くしたことをもし認めたとすれば伏線を回収したラストは素晴らしかったと思う。
メッセージ性について
この映画のテーマの1つに貧富の差がある。同じ人間であっても育つ環境によっては全くの別人になってしまう。また、貧しい人々は治療を受けられず、教育も受けられないことが描かれている。映画の中で地上に住む人々は貧困層ではないがその中にも格差がある。富裕層の白人家族はシャドウになすすべなく殺されており、皮肉を感じられる。エレミア11章11節には「それゆえ、主はこう仰せられる。「見よ。私はかれらに災いを下す。彼らはそれから逃れることはできない。彼らは私に叫ぶだろうが私はかれらに聞かない。」」とある。これは地下の人々が苦痛で叫んでも地上の人々には声が聞こえないことを指している。これは現実は貧困層の意見はなかなか受け入れられず、富裕層の都合がいいように作られているというメッセージを感じる。
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