「良好な上下関係を希望」アス KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
良好な上下関係を希望
昔々あるところに少女がいました。少女には影がいました。二人はつながっていました。
上に生きる人の影が下に繋げられて、真似っこ劣化版の人生を送り狂気に徹するしかない世界。
突然の襲来、異様な表情と奇声、謎の"パフォーマンスアート"、起きることのどれもこれもが恐ろしく、どんどん見えてくる闇の形も面白い。
それなのに、どうしてこうもモヤモヤが止まらず乗り切れないんだろう。
同じ顔の家族が襲ってくる。
赤い服を纏い庭バサミを振りかざして来るその姿の気持ち悪さに、最初はかなりゾクゾクしていた。
家族とその分身が別行動を始めると途端に薄れる緊張感。
バリエーション豊かな追いかけっこを楽しめるはずなのに、切り貼りの仕方が雑なのか何なのか。
そして妙な間にイラついてしまう。
四人もメインがいて誰も死なないことが地味に嫌だった。
分身たちは相当凶暴だし明確な殺意がある分強いはずなのに、バカスカ倒しちゃうウィルソン家。
誰か一人でも無残に殺されてくれると程よい絶望がアクセントになるのに。
何と言っても気になる奴らの正体、その説明がかなり中途半端で、逆にノイズだった。
いや非常に興味深い。
興味深いのに、変なところで現実味を出そうとしてくるのでどうしても無理がある。
むしろ何も説明が無い方が理不尽で怖いし、オカルトの方向に振ってくれればすぐ受け入れるし色々補完して楽しめるのに。
上に生きる者の行動を映すしかない分身たち、その気味の悪い生態をずっと見ていたい。
しかし考えて掘り下げるほど気になってしまうアレコレ。
昔からあのクローン制度は続いていたみたいだけど、小綺麗な施設は誰かが整備して作り変えたりしていたのかな。
地上に出て目的を果たそうとする、その切り替えはどう行ったんだろう。
ラストに入るどストレートな捻りは好き。
頑張れ分身!地獄を抜け出せ!殺しを楽しめ!とにかく生きろ!
あの時の記憶は閉じ込めて今まで生きていたのかな。
そうじゃないと分身家族の襲来への反応が不自然でしょう。
蘇った記憶、なんとなく察した息子、これから先が楽しみだこと。
ずっと監視していなきゃね。それかどこかで見切りをつけなきゃね。
そして突然下に置き去りにされてしまった幼いアディの可哀想なこと。
ブチ切れて殺戮に走るのも当たり前。
でも彼女もあの時の記憶は曖昧だったのかな。しっかり覚えていたら、まずあんな説明はしないでしょう。
生きる世界が捻れた二人の力関係は、その後どう変化したんだろう。
それでもなお下で生きる本物アディの行動が上のクローンアディに影響していたんだろうか。
でもバレエは誰かに習わないと無理だし、下の人々が自主的な行動ができないなら誰かに教わるのも無理な話。
社会的、もしくは宗教的な意味やメッセージも大いに込められているんだろうけど、正直それを掘って受け止めたいという意欲は無い。
もともと直球で受け取る方が好きだし、考察するほどの引力はどうしても感じられなかった。
そんなことよりも、無数にいる上下の二人の関係を考えて耽るほうが面白い。
のめり込んで楽しむことはできなかったけど、ダントツな不気味さと後引く世界観はやっぱり好き。
殺される恐怖はいつだって大きい。
もし私の分身が下の方にいるなら、映画観てばっかで座りっぱなしで嫌だろうな…。
消化不良でした_(:3」∠)_
こんなに面白くて怖くて好きな要素たっぷりなのに、なんでこうなっちゃうかなーという印象から抜け出せません。
先が気になって退屈はしなかったんですけどね。合わないんだなーきっと。
アメリカ中で手を繋いで、飢餓貧困から抜け出そうという意思表示でしょうか。
洗脳しちゃいました?笑
後味悪いホラーも良いホラーも良いんですが、本作に関しては家族のうち誰かしら殺されてくれないと不満に思ってしまうやつでした_(:3」∠)_
ウムムムぅ~(*_*;
消化不良でしたよねー。
突如、ウィルソン邸の前に不気味に突っ立ってる人影から、タイラー家族がグサグサ殺されていく場面までは、ゾクゾク感いっぱいで、これからの展開に期待大、大で身を乗り出して観てたのですけどね(^_^;)
結局、地下人間達は、手を繋いで何を成し得たかったのでしょーかー?!
フフフ(^_^)
でも・・・、KinAさんのホラー映画レビューに巡り逢ってから、後味の悪い感じのラストこそがホラーの醍醐味!って感じるよーになってきましたー♬以前は、悪は滅びる勧善懲悪ハッピーエンドが好みだったのにぃ・・・、病んできたのカナ?
KinAさんに洗脳されてるぅぅぅ~!怖っ(>_<)なぁーんてネ♬