「「ハンズ・アクロス・アメリカ」という設定がすでにコメディーやん」アス たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
「ハンズ・アクロス・アメリカ」という設定がすでにコメディーやん
「ゲット・アウト」があまりにも面白かったので観る前の期待値が高くなりすぎてしまった。本人が言うように決して大作を撮る監督ではないし、ちょっとしたアイデアのどちらかといえばB級テイストコメディホラーである。そして困ったことに「コメディ」という先入観が強すぎて「怖い部分」を正しく怖がることができなくなってしまっているのだ(あくまで私は)。しかしテーマはやはり「アンチトランプアメリカ」であり、格差社会と移民差別そして何より黒人差別社会への異議申し立てが前作にも増して鮮明に、ストレートに表出されている。それはそうだろうなと。「白人社会への怨みの深さ」は映画何本作っても言い足りないだろうなと想像出来る。いけ好かない白人上流一家を「悪役のそっくりさん」という設定(映画的大義名分)を借りて、やりたい放題打ちのめすシーンがおそらくは一番撮りたかったのではなかろうか。それはタランティーノが「正義」の名の下に自身の変態性を正当化しているのに似ている。
コメントする