「US=アメリカ」アス e-pinさんの映画レビュー(感想・評価)
US=アメリカ
前作ゲット・アウトと比較してしまうのは仕方ないのですが、今回はいかんせん、結末は予想できてしまいます。
ある程度映画を観ている方なら、序盤で何となく想像がつくかと。
つまり、この映画はどんでん返しを楽しむ映画ではないのです。
自分と同じように見た目でありながら、明らかに人間離れした行動をし、目的は分からないのにニタニタと笑いながらハサミを持って襲ってくる。
得体の知れない理不尽な恐怖は、不穏な音楽と相まって素晴らしかったです。
相変わらず、観客の神経を逆撫でするのが上手(誉めてます)
物語が進むにつれ、監督が伝えようとする違和感の正体が分かり、それにゾッとします。
ホラーではなく、人間の本質の怖さであったことに気づきます。
アメリカという国が見て見ぬふりをしてきた部分。
映画では◯◯ですが、現実には貧困です。貧困層は、声を持たない。伝える術がなく、教育も受けられずに追いやられている。
そして、持てる者は、自分が脅かされると、途端に善人の化けの皮が剥がれ、相手を全力で叩き潰す。自分たちが加害者(=侵略者)である事実には目を伏せて。(終盤にその場面があります)
善人のように振る舞っていても、それは自分たちが常に優位だから。
それが脅かされれば、どんな手段でも使う。
それが、アメリカだと。
監督の痛烈なメッセージが込められていると感じました。
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