「キリスト教的世界観をベースにした薄気味悪いスリラー」アス よねさんの映画レビュー(感想・評価)
キリスト教的世界観をベースにした薄気味悪いスリラー
1986年夏、アデレイドは家族と行ったサンタクルスの遊園地で迷子になったことで心に深いトラウマを負ってしまう。成長したアデレイドは夫のゲイブと子供達とともに海辺の別荘にやってくる。サンタクルスのビーチへ行こうというゲイブの提案に子供達をガッカリさせたくない思いで渋々承諾したアデレイドだったが、あるきっかけでトラウマが蘇ってしまい取り乱してしまう。そしてその夜、玄関先に不審な人影が・・・からのサスペンスホラー。
突然現れた自分達にそっくりな存在に襲われるという星新一のショートショート辺りにありそうなテイストは監督ジョーダン・ピールの前作『ゲット・アウト』にも通じる不気味さ。『ゲット~』が人種問題への風刺をまぶした軽快なホラーだったのに対して、こちらはキリスト教的世界観をベースにして21世紀に横たわる地獄を見せる超絶に後味の悪いスリラー、劇中で何度も言及される"エレミヤ書11:11"の一文を鑑賞後にググッて読んでみると、その途方もない絶望感に改めて目眩がしました。序盤でひょっとして?と思ったことを何の忖度もなく投げつけてくるラストシーンはホントに後味が悪くてしばらく眠れませんでした。
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