「雰囲気を楽しむ映画」マイ・ブックショップ うむぼんずさんの映画レビュー(感想・評価)
雰囲気を楽しむ映画
WOWOWにて。
この映画を通して伝えたいテーマは「勇気」かな。
見る人にとっては救いがない暗いストーリーと感じると思う。閉塞感ある町の話だし。
でも、主人公の勇気が、引きこもり老人を外に出させる勇気を奮い起こしたし、本嫌いの少女の勇気にもなったので、本屋を通しての変化を起こしている。
なぜ本か?と考えると、本には何かを伝えていく機能もあるわけで、そうするとグリーンさんの勇気は後の世代に伝わっていっているんだと思う。
ガマート夫人があそこまでオールドハウスに執着する理由が少し弱い気がしてしまう。数年間空き家だったから油断していたなんて、言い訳にもならないし自業自得。
逆にグリーンさんも本が好きならそんなに湿気が大変な建物を選ぶか?湿気対策していないのか?と思ってしまう。あとは少し強気過ぎるなと。
確執の原因と行動の整合性が少し弱く感じたので、その点の深掘りが欲しかった。映画の描写だけだと、ちゃんと冷静な話し合いで解決できそうに思ってしまった。
以下、印象的なセリフ。
「人間は滅ぼす側と滅ぼされる側に分かれている」
「レイ・ブラッドベリの本がもっと欲しい」
「このお盆を遺言で私に残して」
「そもそも芸術に中核はない」
「人間の特徴として実に素晴らしいのは、神や動物と美徳を共有している点だ。だが神はそれを美徳と呼ばない。『勇気』だ」
「男の内面が豊か空っぽかは常に謎だ」
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