ジョン・ウィック パラベラムのレビュー・感想・評価
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八面六臂の真キアヌ無双
なんだかプロレス興行⁈みたいになってきた
全編カッコいい!
爽快アクションの進化系
ちょっとスローペース?
戦闘&戦闘&戦闘、デザートに戦闘
宿無し最強愛犬家、地獄の新居探し!
かつて最強と恐れられ、愛犬の復讐をきっかけに
裏社会に舞い戻った殺し屋ジョン・ウィックの
壮絶な闘いを描いたアクションシリーズ第3弾!
前作ラストで所属する暗殺組織の逆鱗に触れた
ジョンが、追っ手だらけのニューヨークの
街から脱出を図る場面から物語がスタート。
なんとしても生き残ろうとするジョン、そして彼を
庇う同業者達の前に、組織の法を仕切る“裁定人”、
そして(たぶん)日本人の凄腕暗殺者ゼロ率いる
殺人板前ニンジャリバンバン部隊が立ちはだかる。
3作目にしてなぜ'80年代ニンジャアクション風味
をがっつり加味したのか……という謎はさておき、
今回は前2作以上にアクションや得物の種類が豊富!
一匹狼なジョンが仲間と共闘するという変化点、
これまで以上にインパクトのある映像といった要素が
魅力的で、最後までテンポよくキッチリ楽しめた。
...
ジョンのアクションは益々壮絶!
お馴染みの“ガン・フー”(=各種格闘術+
近接射撃術C.A.Rシステム)は勿論のこと、
『知識は武器(物理)』と言わんばかりに本で相手
をボコボコにしたり、投げナイフ合戦や馬脚トリガー
や長回しバイク近接戦闘(『悪女』っぽい)など
スゴすぎて笑えてくるアクションが次々に登場。
クライマックスでは色々あって全敵をゼロ距離射撃
で仕留めなければならないという達人ゲーマーの
縛りプレイみたいな闘いっぷりも見せる。
今回は近接戦闘が濃い目な為、イタタタタと
なるような描写も結構あるのでちょっと注意。
共闘する仲間もクセ者。
ハル・ベリー演じるソフィアは美人だけど凶暴。
大切なわんこを傷付けられた怒り(死んでない)
だけで度を越したリベンジをしてくる女性。
ジョンに引けを取らない戦闘スキルに、狂犬
クージョも顔負けのW猛犬とのコンボ攻撃!
あと水くちゅくちゅはひっどい(笑)。
シリーズ通してナイスキャラだったあの人の
アクション&ガンソムリエっぷりにもニンマリ。
そして必死に闘ってるジョン達を尻目に
安全圏でワインをたしなむあの人にもニンマリ。
敵もユニークで、マーク・ダカスコス演じるゼロは
日本語は怪しいが(オレハァ!コロシノタツジダッ!)、戦闘
スキルは確かな好敵手。牛刀での戦闘は凄いし、
ジョンへのファンっぷりを隠さない妙な愛嬌や、
殺し屋の矜持を感じさせる最後の佇まいが素敵。
あと“平家”って何ですのん。落武者の末裔かな。
前2作以上に美しい映像も今回は見所。
序盤、夜のニューヨークの華々しい光と土砂降りの
雨との相性は抜群だし、ジョンが訪れる羽目になる
モロッコの砂っぽい街並や広大な砂漠も良い。
クライマックスの“ガラスの城”は圧巻の映像美!
大型ビジョンに映る七色の環境映像が四方八方の
ガラスに反射する様は幻想的で艶っぽかった。
...
けどまあ、ジョンの闘う動機がどんどん薄れて
きてる気がするのは不満点。1作目は亡き妻の
忘れ形見である子犬を殺されたという熱い理由
があったが、2作目は思い出の自宅を壊されて
復讐という理由に弱化。今回は更にそこが弱く
感じられるし、中盤での選択や、終盤での選択
など、だんだんと主体性の無いキャラになって
きている気がする……。
あと、組織内での妙な規則や、伝説の殺し屋
との対決を楽しみたいナイスな殺し屋さん達に
救われてはいるけど、まともに闘ってたら今回
ジョンは恐らく3・4回はやられてそうなので、
そこもジョンの無敵っぷりから期待する
爽快感を削がれた気がするんすよね。
それと“組織”の中でも超重要なポジションの
キャラが今回お目見えするが……威厳不足で残念。
...
以上!
不満点をブツブツ書いてはいるけれど、
前2作のファンの方や、ユニークで壮絶
なアクションをお腹いっぱい楽しみたい
という方ならバッチリ楽しめる出来では。
観て損ナシの3.5判定です。
ところで『マトリックス4』制作決定ですってね!
キアヌさん完全復活どころかキャリア絶頂期っすね。
昔は武術経験の浅かったキアヌだが、今のスキルで
『マトリックス』をやったらすんごいアクションを
披露してくれるんじゃないかとワクワクしてます。
<2019.10.05鑑賞>
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余談:
『ザ・レイド』のヤヤン・ルヒアンさんと
セセプ・アリフ・ラーマンさんがまた
“地味なのにやたらめったら強いおじさん”役で
出ておられる。今やスターウォーズ俳優の2人、
あまりに強すぎてボスより強敵に見えちゃうのは
どうなのか……。カッコイイからいいや(浅い)。
ダンテの「神曲」のように
「ジョン・ウィック」シリーズ第3弾。
1作目は亡き妻の忘れ形見の愛犬の敵討ち。
2作目は亡き妻の思い出の品を燃やされたことからリベンジ。
今作は犯してしまったルールへの反逆。
賞金首になったウィックを狙い冒頭から刺客が
続々と襲ってきて返り討ちにしていくウィック。
その様はまるで死の舞踏。
「神曲」のダンテのように地獄めぐりの旅が開始する。
図書館に始まり、武器の博物館や馬舎へ訪れたり
すべての状況を利用し敵を倒していく。
そして今回はNYのコンチネンタルホテルにも
さらなる上の存在から圧力がかかるように。
海を渡り南アフリカの地では新たな旧友ソフィアが
協力することになり、そのシーンにおいては
完全にウィックを喰った存在となっている。
他のレビュアーの方々の指摘のあるように
アメリカ製日本人の描き方にはどうしても
コメディ要素を感じてしまう我々であるが
意図的なのか、アメリカ人的にはあれがクールなのか
余計な疑問が作品外で生まれてしまうのが難点。
次回作においても「Guns, lot of Guns」なアクション映画であってほしい。
全編サビしかないバイオレンス映画の集大成
ワケありな人々が集う聖域、コンチネンタルホテルを仕切る組織の掟を破ってホテル内で殺人を犯したために1400万ドルの賞金が懸けられたジョンにワケありな連中が次々と襲いかかる・・・からの全編サビしかない話。
とにかくドエゲツない血塗れバイオレンスが延々と続く。こういうのには慣れてるつもりの私でも二度眼を逸らしてしまうほど忖度のカケラもない。図書館の本やらナイフやら日本刀やら馬の後ろ足やらありとあらゆる手段で迫り来る追っ手を殺して殺して殺しまくるので、始まって5分くらいから後はもう色んな感覚が麻痺してずっとニコニコしていました。
もう古今東西のバイオレンス映画のエッセンスがこれでもかと詰め込まれている。あからさまに予告に滲んでいた『悪女 AKUJO』オマージュが漲ったバイクチェイス、セセプ・アリフ・ラーマンとヤヤン・ルヒアンを招聘してのシラットによる死闘、銃口を顔面に押し当てて連射するバイオレンスは『ザ・レイド』へのラブコール。ワラワラと出てくる黒ヘルのザコ刺客は香港ノワールの巨匠ジョン・ウーが多用していたもので『ドーベルマン』や『スズメバチ』といった90年代のフレンチバイオレンスの香りも漂っている。そして2作目と同じく『マトリックス』を観ている世代狙い撃ちのネタでしっかり笑いも取る。要するに隙がサッパリない。
今回敵のザコキャラの防弾装備が強靭過ぎて前作までのトレードマークと言えるダブルタップでは倒せないのでザコ一人倒すのにマガジンを空にするくらい銃弾を叩き込み、ナイフや日本刀や蛮刀で何度も何度もザックザクに切り刻む、クックパッドにアップしたいくらいヴァラエティに富んだ殺人レシピはとにかく眼福。
もう全編ギターソロみたいなキアヌ・リーヴスのアクションはもはや芸術。蝶のように舞い蜂のように刺す流麗なガン・フーのみならず、こちらにまで痛みが伝わってくるくらい激しく撃たれ切り刻まれても悠然と立ち上がる勇姿は途方もなく美しい。今回参戦したハル・ベリーもキアヌ先輩に肩を並べるくらい見事なガン・フーを披露、シャーリーズ・セロンへの対抗心を剥き出しにしたかのような鬼気迫る怪演。ランス・レディック演じるコンチネンタルホテルのマネージャー、シャロンが遂に発動する戦闘スキルも見事。
前作までに築き上げた世界観を堅持しながら、更にテクニカルかつ美しくなった映像も絶品。カーチェイスシーンだけで白飯を何杯でもお代わりできる濃厚な味わい。前作のクライマックスも相当複雑でしたが今回のそれはどうやって撮影しているのか皆目見当がつかないトリッキーなもの、『マトリックス』から20年、アクション映画も遂にここまで来たかと結局別に自分が何をしたわけでもないのに最後は高笑いしていました。これはバイオレンス映画の金字塔、大傑作です。
見たいバイオレンスアクション全部載せの130分!
毎回期待を裏切らない
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