「再生 再生 再生 再生 再生成」屍人荘の殺人 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
再生 再生 再生 再生 再生成
館モノ謎解きミステリ×ゾンビ。
まさかのトンデモハイブリッド、屍人荘ってそういうことか!!
宣伝の仕方が上手だし、私にネタバレを喰らわせないでいてくれた先人たちに感謝。
未だかつてあっただろうか?ゾンビパンデミックで孤立する館というものが。
館モノのテッパンは豪雪や地崩れでしょう?
繋がらない電話、個性豊かでクセありのキャラ達、一人また一人と出る犠牲者。
王道スタイルにゾンビを混ぜ込んだアイディアに脱帽。絶対に原作小説を読まなければ。
まさに新感覚。
迫り来るゾンビ達によって、普通では絶対に味わえないスリルが加わる面白さ。
慕う人がゾンビになってしまった切なさ、噛まれた直後のどうしようもない遣りきれなさ。
今も覚えているの、人でいたときの頃。
最大限界生きたいわ。全身全霊で向かうわ。
だから行かなきゃ、行かなきゃ、すぐに行かなきゃ、行かなきゃ。結局ぜんまいは巻かれた。
ただ、それをきちんと味わい咀嚼し楽しむには、あまりにもポップすぎた。
謎解きモノとしてもゾンビモノとしても中途半端で扱いが軽すぎる。
ゾンビ退治の際の肉体破壊描写、ゾンビモノには欠かせないこれが、レントゲン映像という分厚いオブラートで包まれていたことがとても悲しい。
パンデミックを引き起こした集団は何なのか、剣崎が明智&葉村を招待した理由は本当にそれで良いのか、明智へ抱く寂しさをどこに持っていけばいいのか。
コミカルに全振りしているので、どうしてもシリアスさや重さに欠け、消化不良が残りまくる。
これだけ新鮮な設定なのに、本筋は王道でしかないので驚きの無いところに収まってしまうのが非常に残念。
伏線の張り方もあからさますぎて萎えてしまう。
最後にもう一つ仕掛けが欲しかった。
別に夢オチでもいいし、パンデミックを起こしたのが実は剣崎とか明智とか、なんなら葉村でもいいし。
葉村が黒幕だったら叙述トリックっぽくて良くない?
テンションの高さと細かいギャグに癒される部分も大きく、普通に面白い作品ではあるだけに、締まりの無さが気になって仕方なかった。
それにしても、濱田龍臣くんが大学OBとか無理あるでしょとか、酒タバコやらせるのはアウトでしょとか思っていたら古川雄輝だった。似すぎでしょ。
あと神木隆之介と浜辺美波の若さ加減に差がありすぎて、剣崎にデレデレしまくる葉村が少し気持ち悪かった。浜辺美波は終始肌が白すぎて発光していた。