新聞記者のレビュー・感想・評価
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問題提起
毎日、読んでる新聞が誰かの熱意と良心と権力の間で作られている。真実を伝えるはずの新聞が政府によって操作されていたら、私は何を信じたら良いんだろう。
役者も演出も脚本も全てが良い。
松坂桃李ファンが観に行って、若い人達が政治に興味をもつきっかけになれば、日本は変わるかもしれない。
という希望。
誰のための人生なんだろうか?
人間というのはつくづくひとりでは自由に生きられないことを痛感した。一度生を受けてから絶えず人と関わり、屡々煩わされ、幾度となく敗北感を味わい、悔し涙を流し、時には心が折れそうになり、それでも大切な何かを守ろうともがき苦しむ、そこにあるものは「何故?」「どうして?」・・・
それを消化できないことに対して心が痛む。
攻めている
攻めてますね。平成になって以降で観た日本映画の中では一番攻めているかも。
現政権にまつわる数々の説明されていない疑惑を散りばめ、もしもこんな真相だったらどうする?とメディアや政治のありように異議を唱える映画。正直、現政権はそんな大それたことなどとても考えられないただの汚職政権で、もっとみみっちい内幕だとは思うけど、だから見過ごしてよいかというと、万一こんな事があったらと空恐ろしくなる…
それにしても、原案は東京新聞の望月記者だったり、前川喜平さん出演のテレビ映像をかなり使ったり、主演に韓国のシム・ウンギョンを持ってきたりと、ネトウヨが噛みつきそうなネタをぶち込んできてるのは何故?と思ってたけど、どうやらそれも含めて議論になるように、ということですかね?
見て見ぬ振りをするのが一番よくない。どんどん語ってまいりましょう。
シム・ウンギョンのあの演技を、あの目を、出来る女優がいなかっただけかも、この役を受ける女優がいなかっただけかもしれないけど…
おまけ映像無し
映画は観ている間ドキドキしたりハラハラしたりワクワクしたりする。
日常から別の世界に没入できる時間が好き。
この映画も割と楽しめて没入しかけたけど、現実の誰かの思いというか思惑というか・・・うまく言えない何かがちらついたり目についてしまった。
劇中どおり信じて疑うのが大事。
勇気ある映画。でも闇は深い。
原作がノンフィクションとのことだが、映画自体がどこまでがノンフィクションなのかはわからない。ただ、現政権を限りなく風刺したものであることは間違いなく、よくもリアルタイムで制作し上映出来たものだと感心する。
国家権力、というより政府の強さや恐ろしさは想像以上なのだろうということを実感させられる。でも組織が意思決定をして同じ方向で統率されるのは組織である以上やむを得ないが、その意思決定プロセスが作為的、恣意的であるとしたら、結果的にある一部の人間の考えが組織の考えに刷り変わってしまい、もはや組織としての正義はない。
疑問なのは、なぜ大多数の組織に属する者がおかしいと思いながらも、おかしな状態が続くのかということ。それは結局一部の上層部の考えが組織の意思となり、それ以外の者は組織という居場所から抜け出す勇気よりも自己防衛の考えが勝り、もはや思考停止した組織の維持を目的とする構成員の一人になるからなのかもしれない。
最期のシーン、多分◯め◯と言ったと思われるが、闇の深さと現実社会の怖さを実感させるのには十分な演出です。
いろいろ考えさせられる映画ですが、主人公が韓国人である必要性に乏しく、たどたどしい日本語に逆に緊迫感が感じられないことと、ツイッターの画面がぶれて文字が見えづらいことがマイナス。元事務次官の出演もリアリティーを出す演出なのだろうが、遠吠えに聞こえ逆に事実が矮小化されてしまっているように見えるのも残念でした。
新聞記者
まずはこの手の作品に出演した松坂桃李以下俳優陣の皆さんに感謝したい。ともすれば作品を作ったとしてもあまり知られていない俳優陣だと多少話題にはなってもあまり取り上げられることは少ない。作品の内容については皆さん多くのコメントがあり敢えて触れませんがいろんな絡みで「上田晋也のサタデージャーナル」が本日6/29をもって打ち切りになりました。正直この映画にも繫がるような出来事ではないかと推察しています。皆さんも書いてますが「この国の民主主義は形だけでいいんだよ」のセリフにこの映画の言いたいことが集約されているのでは?そしてこの「新聞記者」に対する辛辣なコメントが多くなったとすれば、内調の仕業ではないかと・・(笑)
僕たちの真実の危機
「他の誰より、自分自身を信じ、そして疑え」
国際的NGO「国境なき記者団」の発表では、日本の報道の自由度は、ランキングを下げ、世界で72番目、G7ではイタリアに抜かれ、最下位に沈んだ。
ナショナリズムの台頭による、政権の報道機関に対する圧力や、政権与党に対するニュース番組スポンサーの忖度、報道機関自体のスポンサーへの忖度なども疑われる。
また、記者クラブの内輪体質や閉鎖性も指摘されていた。
この作品は基本的にフィクションだが、大学設置などは特定の出来事を想起させる。重要書類の改ざん、主たる担当者の栄転・失脚、担当公務員に自殺者が出てしまったこともそうだ。
そして、感じたのは、僕たちの真実の危機は、所々で鎌首をもたげる嘘や隠蔽、そして忖度というより、これをまとめて常態として温存しようとする政府の組織的対応にあるのではないかということだ。
家族やキャリアを人質に行われる脅迫や、尾行、嫌がらせは、まるで映画で観た反社会的勢力や海外のマフィアのようだし、いつもトカゲの尻尾のように切られるのは弱い立場の人間だ。
国民主権の「知る権利」をあざ笑うかのようだ。
「他の誰よりも、自分自身を信じ、そして疑え」
僕たちは、ただ、日々流れるニュースに接し、それを受け入れ、特定の政党や政党派閥に結果的に都合よく考えるようになってしまっていないだろうか。
全てを疑うのは難しい。しかし、真摯に危機感を発信している人は少なくない。
だから、少し情報の間口を広げ、少し客観的に、そして、感情に支配されずにニュースに接してみることは出来ないだろうか。
通常、新しい映画が上映されるタイミングで、テレビが取り上げることが多い。
しかし、この映画にそれは見当たらない。
参院選のポスター用ボードがちょうど設置されるタイミングでの上映開始で、メディアが、この映画を取り上げることの是非を忖度したのかは分からないが、実は、思ったより上映館の数は多い。一部のシネコンは回避したが、特段、不便なところまで足を運ぶ必要はない。
今や、映画の方が、物語という形を借りて、真実に肉薄しようとしてるのではないか、そんな風にも思わされるし、原作者や映画の製作者、出演した俳優さん、上映した映画館は勇気があると思う。
アメリカでは、華氏119や、記者たち、バイスのような映画もある。
世界的に真実は危機に晒されているのだろう。
ツィートを見ていると、このタイミングでの上映は、意図したものであるようだ。
このままでいいのか。
現実は映画より悪い方向に進んでいると思う。
エンタテインメント映画として、カメラワークも俳優たちの演技もよかった。主張が出しゃばらない。
今の日本のままでいたら、座して死んでいくにも等しい。少しずつ息苦しくなっているからあ、酸素不足に気付きにくいだけだ。
カナリアの声は小さくとも、あちこちでカナリアが鳴けばより多くの人々の耳に警告が伝わる。
スタッフキャストの覚悟を感じた作品
同級生と鑑賞
ラストシーン息を吸って止まった。
吉岡に言った杉原の口の動き。友達と同じ言葉を想像したけど、その後の展開が分かれた。友達の想像した展開に衝撃を受け、なるほど…っと。その展開きいてからずっと重りが引っかかってるような心。もう1回みて、確かめたい。
そして絶対見るべき覚悟を感じた映画。個人の真実と正義vs組織の隠蔽と理不尽。こんな生き難い中では、正義を選択するということは死を選択するしかないのか、、、と思うほど分からない国の闇が怖すぎた。
大きな組織の中で理不尽に屈するって、官僚だけやなくどこでも起こりうると思うけど、規模が違いすぎて、衝撃的。ほんとに怖い。ほんまかな?って。悪い真実は表に出ない。悪い嘘は真実のように出回る世の中。いい事だけ信じようと思う。
そしてシムさんと桃李くん
目、仕草、顔の動き、呼吸、とにかく全ての表情が素晴らしすぎて、吸い込まれた。圧巻!
俳優部皆さんそれぞれの役がぴったり!
今村さんの重暗いトーンの映像が物語を際立たせていた。
藤井監督素晴らしい作品ありがとうございます。面白かったー!!!
情報隠蔽国家
観ていて青木理氏の著書である「情報隠蔽国家」や森功氏の「悪だくみ」と多くの部分で重なりました。いや~、まさかと思うけど実際にはやっているんだろうな。と思うことが随所に出てきます。「この国の民主主義は形だけでいいんだよ。」は後世に残る名台詞。この言葉がまさに今の日本を象徴し、この映画の肝ではないでしょうか。大企業や株で儲けている連中は自民党を支持し、生活に困る国民が投票に行っても何も変わらないと無関心を装う。国民自らがなめられた状況を作っているのが今の日本。客席には私も含め年配の方が多かったが若い人にもぜひ見て欲しい一本。レビューの星の数はあまり気にせず観に行って下さい。
疑うことをやめてはならない
社会派で政治的な映画は正直難しくて、苦手です。
でも、この作品は誇張せず、飛躍せず、
地道に丁寧に描かれていました。
銀杏の鮮やかな黄色と生まれてきた赤ちゃん、
ストーリーと反比例しているようでした。
わたし個人的には、
若き女性新聞記者の服装を参考にしつつ、
同僚の男性記者の優しさにときめきました。
深く考えさせられる映画
まずお願いしたいのは、こちらのような静か社会派映画を観るときはガサガサ、ボリボリ音の出る食べ物は持ち込まないで欲しいということです。
始終静かにストーリーが展開していきます。余計な説明もなく、効果音もなく、、それでも集中して観れるのは俳優陣の演技力が素晴らしいからでしょうね。
淡々と進むだけではなく、悩み迷い悲しみ怒るを少ないセリフと演技で表現しています。とても引き込まれて観ました。
正しいネタバレというのはあるんでしょうか。観る人それぞれで見解が分かれるところですね。とても考えさせられるエンディングでした。
新聞記者さんは韓国語のセリフはなく英語と日本語のみなので韓国の女優さんを使う意味はあったのでしょうか。演技はとても良かったし私は好きでしたが、嫌韓の方には韓国人というだけで避けられてしまうのではないかと心配です。
出演者・関係者の危機感が伝わる作品
新聞記者は今話題の主戦場と同じ気持ちで観ないと理解できない作品だと痛感した。プロデューサー、監督の危機感、松坂桃季、シム・ウンギョンの緊迫感ある演技がスクリーンで観て伝わった。よくぞ今人気のイケメン俳優松坂桃季とシム・ウンギョンは難しい演技を立派にこなした。この点は評価したい。今の日本政治に関するメディアの現状、この映画にも出てきた内閣参事官多田を見ていれば、内閣情報調査室の恐ろしさを映画で知る事が出来た。
スノーデンの日本に対する警告が現実になっている。選挙前に観て良かった。エンディングはないと思っている。観ている人が選挙を通じて答えを出すしかない。選挙前に観ることを薦めます。
こんな映画が観たかった
観ごたえのある作品でした。
いわゆる社会派というジャンルで、少し考え込まされる重さはありましたが、観て良かったです。
「この国の民主主義は形だけでいいんだ」というセリフが全てを語っていたように感じました。
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