「確かに日本やばい」新聞記者 zem_movie_reviewさんの映画レビュー(感想・評価)
確かに日本やばい
ネットで色んなレビューを見てですねえ、すごく面白そうだったので期待して観に行きました。なかなか時間が合わず、そろそろ終わっちゃうなあ、行きたいなあという思いでいましたが、実際に観たら思い切り期待外れで、笑えるところもなく、ほんとに日本はヤバイ状態なんだなあと確信しました。映画自体に対するものもそうですけど、観に来ている人たちもです。
聴衆の殆どがもう現役を引退なされた方々ばかりで、なぜか帽子を被っている人が、男女問わず多かったですね。屋内では帽子を取れって躾られてないのでしょうか?礼儀知らずですね。そして、映画の感想があちこちから聞こえてきましたが、
「現在進行形ということかしらね」
「恐ろしいね」
「なんとかしないと」
という声がリアルに響くことは期待していましたが、ほんとに聞こえてきて、ヤバイのは虚構と現実を綯い交ぜにしているお前の頭だ、と突っ込んでやりたくなりました。多分、若い頃にヘルメット被って棒を振り回していたり、歌声喫茶で肩組んで歌っていた人が相当数いるんでしょうね。
まあ、フィクションなんで事実かどうかではなくて虚実だと理解して欲しいです。まずは。
さて、映画のレビューですね。フィクションなんでしょうけど、最低限の事実(プロトコルとか)は踏まえていただきたいねえという思いです。
・まず、ガバナンスから勉強しようか。大学の許認可権は文科省です。内閣府にありません。冒頭からおかしいです。内閣府は働きかけるだけです。
・主人公の韓国人の方。すごく頑張って演技されているのが伝わってきましたが、キャスティングミスとひどい演出で痛々しくて観てられません。帰国子女設定のお母さんが韓国人設定はいいのですが、日本語がハングル訛りであって英語訛りではありませんし、英語の発音もズレちゃってます。アメリカから帰国して、の設定なのにこれはおかしいです。
・噂の内調はじめ官邸による情報操作の描写ですが、どうせなら、内調職員にホネホネ柄の全身タイツでも身に付けさせて、地球儀の上に鷲のエンブレムを飾っていたほうがリアル感は高まったと思います。なお、描かれている内調と公安の感想としては、KCIAと金盾、赤旗に掲載されてた奴を合わせた感じですかね?実際の内調や公安はそんなにヒマじゃないです。
・大学の許認可の裏側にとある兵器の研究を、という設定がありましたが、公式書類にそんなこと記載します?一発でバレますけど、バラしてどうすんの?ガバガバ過ぎでしょ。
・ラストに国会議事堂に主人公の吉岡が走っていくシーンがありましたが、内閣府や官邸はそこにないです。どこに走っていたのでしょうか?
・合間合間に前川助平や原作者とかが討論しているシーンがありましたが、空虚過ぎて覚えていません。あれ、要ります?
・お葬式のシーンもおかしいですね。あれ、初詣ですよ。配置的に。本当に日本の映画なんでしょうか。
・内調や公安を気にして動いている割に普通に電話やFAX使ってます。簡単に足跡がたどれますよ。
・リアルで名前が出ていた、読売、朝日、毎日、ニューヨーク・タイムズ等々は許可を出したんでしょうか。僕なら許可は出さないし、無断なら名誉毀損で訴えたいですね。で、東京新聞は東都新聞なんですよ。わけがわからん。
・配給がイオンでしたが、ロゴ見た瞬間にフランケンが頭を過りました。
・はっきりって、役者の無駄遣いです。役者の評価が絶望的になりそうなくらいのひどい演出です。
他にもありますけど疲れましたのでこの辺で。
ここまで官邸等に対して誤解と虚飾にまみれたこのような映画が出せる日本って自由の国なんだなあと思います。表現や言論の自由が保証されている証明です。平和だなあ。
まさか、空母いぶきを超える逸材がここで登場するとはねえ。思っても見なかった。