「国家の元における情報操作」新聞記者 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
国家の元における情報操作
アカデミー賞作品でありながら、公開時に見逃していた作品。Huluで改めて鑑賞。
この作品を、あの問題で内閣府が揺れ動いていた、あの時期に上映に踏切り、アカデミー賞受賞に導いた映画界は、なかなか捨てたものではない。きっと、製作陣の中には、見えない軋轢を感じた人も多かったのではないだろうか。また、本作が、単に作品賞だけでなく、主演男優賞、主演女優賞までも受賞した事にも意義がある。
女性新聞記者を主人公にして、日本国家の裏に潜む、闇の情報操作を扱った社会派サスペンス。
・国家とは何なのか…?
・政治とは誰の為にあるのか…?
・人の命の価値とは…?
・真実を押し曲げてまで守る意味とは…?
といった内容を問いかけながら、最初から最後まで、モノトーンな画面で物語は展開していく。
真実を求めようとするアメリカ育ちの新聞記者吉岡と内閣府官僚で疑問を抱きながらも国家戦略の為に情報操作をしていた杉原の2人が、杉原の先輩の自殺を機に、国が隠蔽しようとした大学設置に伴う真相を突き止めていくストーリー。
これはあくまで主観だか、内容が、現実の内閣府が抱えていた問題と重なる為、主役が、日本人女優では難しい役柄。シム・ウギョンが主演を務めた事で、国への叛旗を翻す印象を柔らかくしている効果もあるのかもしれない。
また、松坂桃李は、偽と正に葛藤する役どころを見事に演じ、アカデミー賞に相応しい演技だった。そして、ラストシーン。いろいろな想いや出来事が想像できて、杉原の一言は、何を語ったのか、意味深なエンディングであった。
こうした政治絡みの問題や隠蔽は、昔から存在し、そして、これからもあるのだろうと思う。私たちの知らない所での駆け引きがあるのだろうが、正しい事を正しいと言える世の中であって欲しい。
NOBUさん(^^)コメントありがとうございます😊また、ドキュメンタリー映画のご紹介もありがとうございます。未鑑賞ですから、また観たいと思います。
今晩は
今作は、良作でしたね。邦画界もここまで来たか・・、と感慨を覚えた映画でした。
もし、未鑑賞ならドキュメンタリーですが「なぜ君は総理大臣になれないのか」「香川一区」なども、見応えがあるかと思います。
既に鑑賞済みであれば、すいません・・。返信不要です。