「〝コロナ後〟のメディアと政治の役割について」新聞記者 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
〝コロナ後〟のメディアと政治の役割について
コロナ禍のただ中、かつ先の見通しもまったく立たないタイミングで鑑賞したということも大いに影響していますが、コロナウィルスが世界的に広がったことの大きな要因のひとつが『グローバル化』にあったということを前提にした場合、収束(終息)後の日本において、政治やメディアが果たすべきことの優先順位がとても明確になったように感じました。
コロナ後の国家目標は、シンプルに国民の命を守る体制を早期に築くこと、そして、若い世代の未来のためにそれを100年単位で持続できるオプションを複数備えること、の二点である、と私は考えます。
国民の命を守ること、極めて単純化すれば、それは水と食の安全を確保すること。
(最盛期の古代ローマが今に残る水道橋で水と衛生を確保し(テルマエ・ロマエを見よ❗️)、ローマ街道で物流(経済・軍事)を支えた結果、実現したパックスロマーナをイメージすると分かりやすい)
全国どこでも水道水を直接飲める国は、国土交通省のHPによると世界でも十数カ国しかありません。
水が清潔ということは、当然衛生面の恩恵も計り知れません。間違っても、現在の日本が築いたこの恵まれた水道システムや水源をグローバル化の一環の中で、他国所有を許してしまう〝民営化〟などがなされないように、メディアはチェックしなくてはなりません。
そして、水と食を守るということは、当然国土の安全あってこそなので、派生的に外交(防衛)、人材(教育)、インフラ整備(経済)などの施策もその延長線上に立てられていくはずです。この時、メディアは日本の安全を守る政策であることが優先順位として盛り込まれているかをチェックして欲
しいのです。
一方、日本の〝食〟については、カロリーベースの自給率が40%をきる現状は、国際情勢によって輸入が止まる事態が発生した場合、即、国民が飢え始めるということであり、少なくとも憲法改正やギャンブル法案よりは優先順位が高いはずなのに、声高に叫ぶ人が政界でもメディアでも少ないのはどうしてなのだろう。
グローバリズムが金科玉条となって以降、貿易障壁というネガティブな文脈で農業を批判する傾向があるが、フランスもアメリカも自国の農業への補助金等の保護政策が手厚いことは専門的な文献でなくてもわかることなのにあまり公平には報道されていないように私には見えます。
コロナの影響により都市部で失われた雇用がそのまま農業の人手不足の穴埋めになるなどと単純には言えないのは十分承知しています。
土いじりは絶対無理とか、年単位での成果(収穫)よりもっと早く成果が出せる仕事の方が好き、という人もいるでしょうし、食材費はあまりかからなくても、見かけの収入が一気に上がるということもないわけで、都市生活に慣れた人はどうしても不向きな方が多いと思います。それでも食糧確保の観点から、何かしらの人材がマッチする仕組みを作っていただきその結果、補助金の一部が農業従事者の人件費に回ったとしても、アメリカやヨーロッパの国が穀物や乳製品を日本向けに回してくれない事態に備えることができるのなら、税金の使い道として、まったく文句はありません。強い農薬に耐えられるために開発された遺伝子組み換えの穀物を大量に輸入するよりは、未来を背負う若者たちに対して少しは誇らしく思えるはずです。
コロナ後の経済復興については、ほぼすべての分野にわたってグローバル化に依存し過ぎた弊害が明らかになったこと、コロナがトラウマとなりしばらくの間は従来のような外国人消費や交流が当てに出来ないこと、などを踏まえて、食の安全・自給率アップを絡めて複合的に考えることが必要だと思います。
メディアの役割ももっとシンプルに、政権が本当に国民の命を守るための政策を考え実行しているか、を常にチェックし、優先順位を国民に知らしめてくれるようになって欲しいと願っています。
世論調査の報道なども、目先の首相の人気度が分かるだけで、たとえば福島の汚染水処理について国民全員が改めて考えなければいけないということがわかるような設問にするなどの工夫が無いような気がするのですが、いかがでしょうか?
極端な賛辞にもかなり違和感感じますし日本の食糧自給率について、もう心から(脊髄もろ共)大賛成です。
今回はマスクでしたが、それだけじゃない。家の中でmade in China じゃないものを探す方が難しい世の中、このまま行くとどうなるんだろうと思ってしまいます。
私は 首相の力が周りによって成り立っている事、官僚主導である事、ここに問題があると思っているのですが。どうですか?
琥珀さん、コメントありがとうございます。ご無沙汰しています。
そうですよね。学校は、暗記だけで考える学びはできませんし、TVも考える内容のものはほぼありません。では映画はというと、今作の様な社会背景が描かれる作品は、ほぼ僅かですよね。
最近、政権に批判的なSNS対策に24億円かけるというニュースをみて、今作がよりリアルに感じます。
琥珀さん、琥珀さんの街にもハッフルパフ生がいるようです。なぜなら、ハッフルパフ生は自宅待機期間中、勇敢になることが宿題とされており、ホラー映画を観ることも推奨されているのです。おそらくハッフルパフ生が一足早かったのかと(笑)『ライトオフ』ぜひご覧ください。
『新聞記者』、3月頃イオンシネマで凱旋上映されてたんですよね。行こうかな、と思った矢先、こうなってしまい観れず😭
極端な内容のレビューを拝読してると、政府や文部科学省が一見迷走に見える不出来なことをたくさんしてるのは、実は計算通りなのではないか、と思います。
自分で調べたり考えたりして、事実がどこにあるのかを見極めるような多角的な視点や姿勢を国民から奪うことに成功してると思います。ネットの情報に乗せられてしまうことへの抵抗が少ない(嘘くさいと思いながらも誰かが傷つく事への想像力が働かない)のも、政府にとっては、ひとつの〝成果〟なのだと思います。