劇場公開日 2019年6月28日

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「まさに国民の情報リテラシーが問われている。」新聞記者 レプリカントさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5まさに国民の情報リテラシーが問われている。

2019年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

作品前半で内調の多田が主人公に言う台詞が印象的である。真実か否かはお前ではなく国民が決めるんだ。
本作で内調はフェイク情報を流して世論を自在に操っている。情報操作によって国民をミスリードするのが狙いだ。自分達の都合のよい真実ではない事実の構築をするために情報操作するのである。
偏った不快な発言がネット上に溢れる昨今。こんな書き込みをせっせとしている暇人がほんとにいるのか、以前から不思議だった。ただ、こういった書き込みを何らかの仕事として割り切って行っているとすれば多少は納得がいく。本作で描かれている通り内調がSNSにより世論操作を行っているというのもあながち空想とは言えないかもしれない。海外では既にSNS を利用して選挙操作がなされている実態も報告されている。
このような状況下で大切なのは、情報過多のこの時代にいかに溢れる情報を吟味し、フェイク情報に惑わされないリテラシーを身に付けることであろう。国民一人一人が賢くならなければ、まさに民主主義は形だけでいいんだということになってしまう。
欧州のような成熟した民主主義国家になるか衆愚政治に終わるかは国民にかかっている。

レプリカント