「いくらなんでも」新聞記者 よさんの映画レビュー(感想・評価)
いくらなんでも
新聞記者の仕事を知っている者からすると突っ込みどころ満載すぎて萎える。
⚪︎午前2時に社会部の部屋が真っ暗。宿直は?
⚪︎主人公の記者が自宅で討論番組見ながら付箋に何やら書き書き、ネットでポチポチ。これ記者の仕事風景か?
⚪︎記者会見の記事をデカくしろと要求する記者。うーん、独自の情報入れるなり、鋭い切り口入れるなりデカくしてもらう努力しろやと。
⚪︎内閣府の前のあんなところで呼び止めて質問責めにする記者なんていないだろう。よその記者もウロウロしてるところだし、あんなところであんな質問して役人が答えるわけがない。
⚪︎とにかく記者が無能にしか見えない。あんな正攻法だけじゃなくてもっと取材対象に食い込む工夫や発想があるだろう。
⚪︎最後の方で安易にニュースソース明らかにすると宣言するとか論外。例えソースの方が同意しててももっと慎重にすべき。しかも週刊誌に誤報って書かれたから続報は実名でって‥(案の定、最後はハシゴ外されたっぽい)
⚪︎内調の担当者の机の中の資料の写メだけで記事を書く記者。もっと他の関係者に当たるとか裏取れよと。
⚪︎軍事技術なんて今時デュアルユースが普通だし、防衛省がおおっぴらに大学に予算ばらまいて防衛技術研究させてる中、特ダネとしてはちょっと苦しくないか?だいたい大学の研究内容なんて隠しておけないだろ
⚪︎読売、朝日、毎日が追っかけてると聞いて喜ぶ記者。他社が書いてるから安心、という底の浅さ。だから横並びって言われることに気づいていない。
⚪︎内調の怪しい上司からの電話に「わざわざありがとうございます」って言った後、ニュースソースに鬼電。それ、一番やったらあかんやつ(ソースバレバレ)。
とにかく見ていてイライラする。
政権を批判し、事実で追い詰めることが新聞記者の重要な仕事であることは論を待たないが、とにかく主人公の記者の仕事の出来なさばかり目につく。
原案の本書いた記者がちょくちょく本作に登場するが、もし本作に監修もしているのなら、普段からこういう仕事をしているのだろうなあと想像。