「信念を貫くか? 家族を守るか?」新聞記者 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)
信念を貫くか? 家族を守るか?
「ごめん…」
わたしにはそう最後に
杉原が言ったように聞こえた…
本作『新聞記者』を観終わったあと
いろんな思考と感情が湧き上がり
誰かと議論を交わしたくなる…
そんな硬質な社会派作品。
真実を白日の下にさらし世間に公表すべきか?
家族を犠牲にし、今後の自分の人生を賭けてまで…
核兵器を保有しない国、日本。
外交手段や国を守るための抑止力として
生物兵器を開発してもよいのでは?
放射能汚染と同じぐらい、いやそれ以上の
人類が抑制することが困難なほどの
パンデミックを引き起こすとしても…
かたちだけの民主主義を善しとするか?
情報操作し国民を煽動して
混乱を避け、秩序を保ち
結果、平和がもたらされているのであれば…
もとより法の支配と民主主義を尊重する立場から
シビリアンコントロール下にある現在の日本において
すでに善し悪しを問うのはナンセンスなんだろうか…
文学者・三島由紀夫 氏があの世でさぞ今のこの日本を
「それ見たことか!」と憂い嘆いていることでしょう…
プロパガンダにまみれた世の中で
信念を貫くジャーナリズムは
はたして、いち個人のちっぽけな正義感に
過ぎないのでしょうか?
そんなジャーナルに目を通し耳を傾け
リテラシーを養い、吟味し、咀嚼し
そして影響力、損得を鑑み
どのように作用するか考えることしか
我々には出来ないのかもしれない。
そこには真実の審議とは関係なく
【是か、非か】ただそれだけの二択でしか
国民の主張できる幅がないのが実情…
〈 静と動 〉で例えるなら
最近の松坂 桃李さんの演技は
〈 静 〉の印象が強いですね!
またそれが各作品の役柄にハマっています。
安定の北村有起哉さん!
わたしには違和感なく物語に沿った
存在を醸していました!
シム・ウンギョンさんの起用は杞憂でした!