劇場公開日 2019年6月28日

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「バランスが気持ち悪い」新聞記者 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5バランスが気持ち悪い

2019年7月2日
iPhoneアプリから投稿

日本では珍しい、現実をリンクさせて実際の事件・疑惑を想起させるタイプの映画(欧米には多いけれど)。

今の政府(内閣や官僚)の悪質さ、横暴なやり口は、見事に表現していた。

新聞記者の在り方を客観的な視点で描いていて、変な英雄扱いをしていなくてよかった。
シム・ウンジョンと松坂桃李の演技は見事。
けれども、エンタメに徹し、こんな場合はこんな行動や考え方でいたらいい、というシミュレーション的な要素で突っ切らなかった。
特に、下手に前川喜平氏と、本作の「原案」者とはいえ東京新聞の望月氏を画面に登場させちゃったことで、そっち寄りに【偏っている】【誘導している】ってイメージになっちゃってたのが残念。

また、内閣情報調査室の在り方が想像による表現なので、リアリティが今ひとつ。
いや、観てるこっちも実態は知らないから、リアリティってなんなのよってこともあるんだけど。
ファンタジーになっちゃっているんですよね。

そのせいで、「現実」と「主観」の境界線があいまいで、ドキュメンタリーでもない、エンタメでもない、バランスが崩れてある種の気持ち悪さを生んでいたように感じました。
『空母いぶき』でも感じたけれど、物語を成立させるために、現実への取材不足を妄想で埋めると、リアリティラインが曖昧になるんですよね。

アメリカのように、情報公開されてない国の限界かもしれません。

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コージィ日本犬