「例えばニュースに対するコメントで、凄まじい差別的、非人道的な発言を...」新聞記者 どっぐすさんの映画レビュー(感想・評価)
例えばニュースに対するコメントで、凄まじい差別的、非人道的な発言を...
例えばニュースに対するコメントで、凄まじい差別的、非人道的な発言を見かけることが多いが、それに対して「そう思う」といった投票数が数千を超えるといった現象がある。
自分の友人、職場の人でこういった発言、考え方をする人は見たことがないので、こういう数字が世論を反映してるはずはないと思っていたが、なんのことはない、こういった書き込み、投票を仕事でやっている人がいるわけだ。
選挙が近くなる時期にスマホを見ていると、洗脳せんがばかりの勢いで何度も同じ政治家の顔の広告が出現するが、どれだけお金を使っているのだろうと思う。
政権が国会で問題になっている時に、某政治家が公園を散歩して支持者に囲まれてご満悦といった、不思議なニュースが突然流れることもある。
10年前は決して見られなかったような露骨な現象が多々あって、何かおかしいと思っていた実感は間違いなくある。
この映画は少なからず、こういった疑問に逃げずに立ち向かったという点で衝撃的だった。エンドロールが終わった後、自分も含めて観客は皆無言である。逃げるように立ち去る人もいる。
選挙の投票率が低いと言われて久しいが、多くの人は政治に関心がないのではなく、実は「政治に参加する」のが怖いのではないかと思う。
映画としては、新聞社は常にカメラが酔いそうなほどブレており、対象的に内調の職場は絶対健康に悪いだろうというぐらい暗く描かれているといった、露骨な映像テクニックが前半鼻についたが、後半は徐々に気にならなくなり、あの問題の核心が出てきたところで合点がいった。
フィクションと言えばフィクションだが、根拠もなくこういう脚本にはならないだろうと思う。恐ろしいことである。
以上、フィクションの映画を観た観客の妄想です。
(妄想と断らなければ、発言するのも怖い世の中になった思います)
この映画に参加したスタッフ、役者陣に敬意を表します。