「驚いた」新聞記者 T Aさんの映画レビュー(感想・評価)
驚いた
映画館のタダ券を偶然もらい、たまたま日時がちょうど良かったというだけの理由でこの映画を見た。
だから、事前知識は全くなし。
イケメン新聞記者がスクープを書き、そこに国際恋愛がからんでくる映画なんだろう…くらいのつもりで見た。
しかし、見事に予想は裏切られた。
日本にもこんな映画が作れるんだ!と驚きながら見た。
この映画を「偏っている」「左翼映画だ」などと意味不明な批判する日本人は山ほどいるだろう。
しかし私に言わせればそういう単純な言葉で切り捨てる人達こそが偏っている。
権力をチェックし、批判する映画は海外では当たり前のように存在する。
しかし日本では、残念ながらそういう映画は殆どない。
それは同調圧力が強く、民主主義が未発達の日本では、未だに「反体制的」な主張をする人間は排除される空気に支配されているからだろう。
主演女優に日本人を登用できなかったのは、批判を恐れて引受手がいなかったのだろうと推測する。
また、大手チェーンでは上映されていないのも、同様な理由からであろう。
そう思うと、この国がいかに「同調圧力」「空気を読め」「長いものには巻かれろ」的な発想に支配されているのかを改めて感じ、ため息が出た。
その点、この映画に主演した松坂桃李には拍手を送りたい。
なお、ただの政治映画ではなく、ストーリーもしっかりした、見応えのある娯楽作品として仕上がっており、藤井監督にも敬意を表したい。
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