劇場公開日 2019年6月28日

  • 予告編を見る

「根くらさ」新聞記者 トミーワイルドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0根くらさ

2019年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

自分は邦画を映画館で鑑賞することはあまりありません。
そして「松坂桃李」くんが大の苦手w
(松坂桃李さんファンの方すみません)
.
何故この日本の作品を観たかというと、
韓国の女優さんが出演していること、
(日本人だけで政治問題を語るには真実味に欠けると勝手な思い込みを持っているw).
ここ数年で実際にあった政治問題を取り上げてること、
「孤狼の血」を観て桃李くんの演技が素晴らしかったので彼をみなおしたこと、
その3点でこの作品を観ました。
.
正直、観た当日は新聞記者に扮する
「シムウンギョン」さんの日本語に違和感を感じてしまい作品全体に対してもあまりいい印象がなかったんです。
一夜開けて今一度作品を振り替えってみると、大したことじゃなかったなぁと思えるようになりました。
.
内閣府のとある部署。
とにかく不穏を醸し出す色彩と異様な雰囲気。
対する新聞社、活気と言うほど慌ただしさはないものの新聞社だなぁと思える雰囲気。
新聞社の雰囲気って結構イメージしやすいですよね。
対して内閣府。色々なイメージはあるもののはっきりとしたイメージが湧かない。
ストーリーが進むにつれ、内閣府という組織が何なのか、そして何を行っているのか?ボンヤリしていたものに輪郭が帯びてくるんですね。
.
この作品で描かれていることはどこまでが事実かはわかりません。
が、政府=官僚が行っていることは、僕らには想像もつかないことをしているんではないかと考えさせてくれる。
この大きな存在の中で、新聞記者がどう切り込んでいくのかここも見所ではあるんですが、もう一つ大切なことがあって、大きな組織のなかでどう自分の人生を選択してゆくべきなのか。
この葛藤を松坂桃李くんが上手く表現してくれているんですね。
シムウンギョンさんも静かに対峙してゆきます。
そして「田中哲司」さんのイヤらしいほど徹底した演技。
元ジャニーズのあの人の演技も良かった。
この作品は、政治の裏、その裏に関わってしまったそれぞれの人生も見所の一つなんですが、出演している役者さんたちの演技にも見所があるんですよね。
皆さん地味ですよ。
でもそれがこの作品に深みを与えてくれてる気がします。
松坂桃李くんの葛藤は。。
シムウンギョンさんの信じたものは……。
.
余談ですが、シムさんあの「新感染」にもでているんですねー。
そしてシムさんの顔が「イモト」に見えてしまったのは僕だけですかねw

とみまる