劇場公開日 2019年9月13日

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「史実に基づく傑作な結末」人間失格 太宰治と3人の女たち rururun8さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0史実に基づく傑作な結末

2021年3月18日
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映画館で観た衝撃が忘れられず、2回目の鑑賞です。一つ一つのシーン、どこを切り取っても美しく、その瞬間ごとがアートだと感じられます。また、キャスティングも目を疑ってしまうほどの豪華な顔ぶれ。ほかの作品であれば各々が主役級を張るであろう俳優陣がとても魅せる演技をしている。人間の喜怒哀楽、その人が持つ死生観、生き様がリアルに描かれ、引き込まれる。これらは、さすが蜷川実花監督作品としか言いようがなかった。
また、何よりも素晴らしいのはそのエンディング。史実に基づきながらも、映画のストーリーに乗せて傑作の終わり方を迎えている。
史実を知る人は「本当にこうだったのかもしれないな」と思わされるに違いない。史実をまだ知らない人は鑑賞後に調べてみると良いかもしれない。
史実の中に埋もれた太宰治の心音は、どのようだったのだろうかと、映画を観終えた後も考えさせられてしまう、この思考の広がりが心地良く、この映画の余韻に浸っていたい。
必ずまた観ます。素晴らしかったです。

rururun8