「人間としての死、失格」人間失格 太宰治と3人の女たち imymeiさんの映画レビュー(感想・評価)
人間としての死、失格
雪の日の夜、葛藤していた太宰が道で喀血して倒れて、白いお花がたくさん降ってくる場面、まるで、お葬式のようだ、と感じた。人間津島修二としての死、つまり、ここで人間失格が象徴される。場面が変わると、作家太宰治が鬼のような雰囲気を纏って『人間失格』の執筆をはじめる。人間を失格したものにしか書けない小説、それが『人間失格』である。
愛人富栄が綺麗にしてしまった部屋を、帰ってきた妻が泣きながら、子供がこぼしたインクで自分ごと汚してしまうところが、美しくも、つらいコントラストだと思った、
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