闇の歯車のレビュー・感想・評価
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藤沢ハードボイルド
時代劇専門チャンネル開局20周年記念作品。
関西テレビの深夜放送を録画して鑑賞。
原作は未読です。
藤沢周平作品にしては珍しいクライム・サスペンスをドラマ化。地上波では最近殆ど見掛けなくなった本格時代劇にしびれました。出演陣がめっちゃ濃い。安定の橋爪功を初め演技派・実力派の雄が集結して、ハードボイルドな物語を彩りました。
逢魔が時の完全犯罪を目論む5人の男たちが辿った運命に無情を感じました。理不尽な世の中に反抗し、上手く行かない人生にけりをつけようと犯罪に活路を見出そうとした者たちの滅びの物語―。こう云うの好きなんですよねぇ〜。アメリカン・ニュー・シネマの趣きがありました。ラストシーンなんか「明日に向かって撃て!」みたいでグッと来ました。
あげくのはてに
瑛太扮する佐之助は、請け負って人を脅す様な裏稼業をしていた。飲み屋で、橋爪功扮する伊兵衛が押し込み百両でどうだと声をかけてきた。危険を感じて断ったが、佐之助の事や依頼主の事を良く知っていた。故あって離縁されたおくみと住む事になった佐之助は、仕事を請ける事にした。飲み屋での飲み仲間が仕事のメンバーだった。仕事の計画を伊兵衛から聞いた。しかし、仕事前におくみが居なくなってしまった。果たして佐之助はどうする? お互いくたびれもうけと言うか独り占めと言うかさえない話だ。
劇場で見ようかとも思っていたがこの程度だったとは。
つまらないかと言われると左程では無いが、映画として見た場合にはかなりの不満が残った。
まず、脚本が弱すぎる。 橋爪功が演じる謎の男が盗賊話を持ち掛けるのだが、主役の瑛太以外は刺身の妻程度の扱いなので、どの男にも思い入れが出来なかった。
特に若旦那を演じている中村蒼の演技が一本調子で台詞回しも棒読みに近かったのが最悪でした。
唯一良かったのは落ちぶれ浪人を演じた緒方直人で親父に似てきたなっとつくづく思った。
最後は因果応報と言うか皆自滅したと言う事なのか誰も救われない終わりだったのですが。
原作を読んでいないのでどのような最後なのかは知らないが映画とは違ってきっちりとした終わり方なのだろうと思っております。
時代劇はもう終わりか?
過去の映画で観た場面が多かったです。ただ,原作は未読なので原作と映画の違い,ニュアンスは判りません。
1.酒場に登場人物が集まる場面は山本周五郎原作の東宝映画「いのちぼうにふろう」と似ている。
2.石橋静河が長屋からいなくなるエピソードは同じく山本周五郎原作の東宝映画「赤ひげ」の桑野みゆきが山崎努から去るエピソードと似ている。
3.襲撃のあと700両を覗く場面はジョン・ヒューストン監督の「アスファルト・ジャングル」のスティール場面と似ている。
4.瑛太がラストで集団に囲まれる俯瞰シーンは北野武監督の「座頭市」の浅野忠信の場面と似ている。
5.瑛太の終末は山中貞雄の「人情紙風船」と似ている。
他にもあったがこうまでしないと時代劇はもう作れないのかと思った感が強く残りました。製作された熱意は感じましたが,観ていると上記の様な事が気になり始め,引き込まれるといった事がなかったです。申訳ありません。
佳作☆
佳作です。
全く派手さはなく、物語は登場人物のエピソードを淡々と
描いていきます。
正直、今時の時代劇のように変な演出もないので、若干 展開が
スローに感じることもありました。
でも、物語は丁寧に作られており、中心の5人を演じる役者さんも
上手い方ばかりで楽しめました。
こういう映画は、今は お客さん入らないのかなぁ・・
すごく小さい小劇場での鑑賞となりました。
役者さんも良いから、宣伝次第で もっとたくさんの人に
見てもらえるのでは。
残念です。
藤沢周平の描く、江戸のダークサイド
丸の内TOEIにて舞台挨拶あり。瑛太、緒方直人、監督の登壇。橋爪功は体調不良につき欠席。
破滅に向かう男たち。しびれるね。ややストーリーに無理を感じるが、要所要所の演出(提灯の味のある字と、這い歩くイモリのショットとか)が渋好みにはたまらないなあ。
しかしまあ瑛太の色気、半端ない。時代劇二作ではあるが、しっくりと馴染んでた。時代劇はなくなって欲しくないので、こうして次世代に受け継がれていってほしいと願う。
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