闇の歯車のレビュー・感想・評価
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女性の影響によって
時代劇専門チャンネルの作品。レビューを書くところがあったので書いているが、この作品は映画ではないだろう。
映画として観てしまうと少々格が不足している感がある。昔やってた年末時代劇みたいな感じだろうか。
格が落ちるとは書いたものの、作中のセットには感心してしまう。時代劇撮影所なのだろうが、自然物の入り込み方とか、細かいところに目がいってしまった。
藤沢周平原作の映像である。
藤沢周平の小説は読んだことがないけれど、映画化された作品群を見るに、意外と作風がロマンスよりなんだよね。
そういった要素のある作品ばかりが映像化されているのかもしれないけれど、自分が観た範囲ではそうだ。
時代劇の中のロマンスといえば、選択の不自由とか、武士の立場ゆえの不自由とか、そういった「ままならなさ」が魅力だろう。
私とあなた、好き同士だから一緒になりましょう、なんて現代的な気軽さがない。
藤沢周平作品の中では、良くも悪くも女性が男性に対して影響を与えるようなものが多い印象だ。シェークスピアのマクベスみたいな。
この作品にでは、多くの登場人物が女性の影響により押し込みをすることになる。そして、女性の影響により自らの運命が左右される。実に藤沢周平らしい満足できる内容だった。
難点としては、尺が短くて物足りない感じがすることだろうか。
もう少し掘り下げて欲しいところも多く、エモーションの蓄積がされないままに終わってしまった感じがした。
観る側の気持ちを溜めとくタイミングがなかったんだよね。
藤沢ハードボイルド
 時代劇専門チャンネル開局20周年記念作品。
 関西テレビの深夜放送を録画して鑑賞。
 原作は未読です。
 藤沢周平作品にしては珍しいクライム・サスペンスをドラマ化。地上波では最近殆ど見掛けなくなった本格時代劇にしびれました。出演陣がめっちゃ濃い。安定の橋爪功を初め演技派・実力派の雄が集結して、ハードボイルドな物語を彩りました。
 逢魔が時の完全犯罪を目論む5人の男たちが辿った運命に無情を感じました。理不尽な世の中に反抗し、上手く行かない人生にけりをつけようと犯罪に活路を見出そうとした者たちの滅びの物語―。こう云うの好きなんですよねぇ〜。アメリカン・ニュー・シネマの趣きがありました。ラストシーンなんか「明日に向かって撃て!」みたいでグッと来ました。
あげくのはてに
劇場で見ようかとも思っていたがこの程度だったとは。
 つまらないかと言われると左程では無いが、映画として見た場合にはかなりの不満が残った。
まず、脚本が弱すぎる。 橋爪功が演じる謎の男が盗賊話を持ち掛けるのだが、主役の瑛太以外は刺身の妻程度の扱いなので、どの男にも思い入れが出来なかった。
 特に若旦那を演じている中村蒼の演技が一本調子で台詞回しも棒読みに近かったのが最悪でした。
 唯一良かったのは落ちぶれ浪人を演じた緒方直人で親父に似てきたなっとつくづく思った。
 最後は因果応報と言うか皆自滅したと言う事なのか誰も救われない終わりだったのですが。
原作を読んでいないのでどのような最後なのかは知らないが映画とは違ってきっちりとした終わり方なのだろうと思っております。
時代劇はもう終わりか?
過去の映画で観た場面が多かったです。ただ,原作は未読なので原作と映画の違い,ニュアンスは判りません。
1.酒場に登場人物が集まる場面は山本周五郎原作の東宝映画「いのちぼうにふろう」と似ている。
2.石橋静河が長屋からいなくなるエピソードは同じく山本周五郎原作の東宝映画「赤ひげ」の桑野みゆきが山崎努から去るエピソードと似ている。
3.襲撃のあと700両を覗く場面はジョン・ヒューストン監督の「アスファルト・ジャングル」のスティール場面と似ている。
4.瑛太がラストで集団に囲まれる俯瞰シーンは北野武監督の「座頭市」の浅野忠信の場面と似ている。
5.瑛太の終末は山中貞雄の「人情紙風船」と似ている。
他にもあったがこうまでしないと時代劇はもう作れないのかと思った感が強く残りました。製作された熱意は感じましたが,観ていると上記の様な事が気になり始め,引き込まれるといった事がなかったです。申訳ありません。
佳作☆
藤沢周平の描く、江戸のダークサイド
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