運び屋のレビュー・感想・評価
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人生についての映画
ヤクの運び屋の映画というと、ド派手なカーチェイスや銃撃戦を期待してしまうでしょ?もちろん、そんなものはありません。そこにあるのは、自らの人生を後悔し続ける老いてやつれた人間だけ。これがイーストウッド映画。
誤解を恐れずに言えば、リタイア後の老人生活を体感する映画だと思いました。
とにかく地味。劇中、音響も派手なシーンも特になく、ただただゆっくりとした時間が流れる。イーストウッドがヨタヨタと歩く姿がやたらとリアルでした。だって、演技じゃないからね。笑
この映画で気持ち良いのは、ハイウエイを走っているシーンだけだよ、ぶっちゃけ。でも「将来は自分もこうなるんだ」と色々と考えさせられました。歳取るにつれて楽しいことは減っていくんだよね。
あえて若い人に観て欲しい。地位も名誉も金も純粋な心でさえも、歳とれば何の価値もなくなるんだぞ。
ハリウッドで成功の頂点を極めた、あのクリント・イーストウッドでさえそうなんだから間違いない。
ラストの曲の歌詞が印象的。老いを受け入れるな!
時間は不変ではない
本人も言っていたが、自業自得の物語。タイミングは何度かあったが、己のエゴが常に勝ってしまう。暗い影に気が付いていても。案外誰の中にもあって、だからこそ心にザワザワとさざ波の立つ物語。
良い話とは言えないですが、巻き込んでるのか巻き込まれてるのか、ワヤクチャする展開にはほっこりするし、シンプルに筋の通ったキャラクター達が、90歳の静かでアグレッシブな日常に彩りを与えているように感じました。
映画は面白いから、レビューは見ないで。
ここに連なるレビューの数々が、ネタバレのオンパレードになっているので、最初から最後まで楽しみたい方は、どうかこれらに目を通さないで、ゼロのままで映画館に行ってもらいたいです。
(だけど見た後に「いいな」って思えるレビューもあります。)
必見のイーストウッド主演作!
イーストウッドも88歳になりましたか。彼の作品を観ないという選択肢はない。
最後の主演作となるやも知れぬ今作では、見栄っ張りで家族から見放され犯罪に手を染めるダメ人間を演じた。
罪を自覚しつつ麻薬の運び屋を続けるアール(イーストウッド)。とんでもない悲劇を予感しながらエンディングに向かって行くが……
むしろ温かいとさえ感じたエンディングが優しかった。これはこれで悪くない。天国へ行ける気がした。
おそらく自らがアウトローを演じること、そして作品をエンターテイメントとして成立させることに意味があったのだろう。
老いたイーストウッドの勇姿をまぶたに焼き付けるべき必見作だ。
ちなみに予備知識なしで観たが、ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、アンディ・ガルシアなどなど脇も豪華だった。そして何より実娘アリソン・イーストウッドとの父娘役での共演が泣かせる。
イーストウッドと車
本来、満点は点けない主義なんだが(何処にも不満点の無い映画など存在しない)この作品から星を削る事は出来なかった。
全世界の男が観るべき傑作、「グラン·トリノ」に匹敵する作品。
脚本家が同じらしく、実際共通点も多い。
主人公が家庭に失敗した孤独な老人であること。(イーストウッド本人も4回の結婚と離婚を繰り返している)朝鮮戦争を経験していること。車が重要なアイテムになっていること。若造に説教をすること!
満点つけたが勿論不満な点が無い訳じゃない。マイケル·ペーニャはギャング側の方がキャラが活きたんじゃないかとは思うし、あのギャング達は一体どうなったんだ?と気にはなった。
しかしイーストウッド御大が「これでいいんだ。」と完成させたのであれば、ちんぴらレビュアーがケチをつけるところではないんだろう。
劇中、御大が髪を整えスーツをビシッとキメているシーンがあり、なんてカッコイイんだろうと思った。こんな爺様に成りたいと思った。身長が20センチ程足りないが。
日頃劇場で映画を観てもあまりエンドロールには付き合わない主義だが(通ぶって時間無駄にするなんてナンセンス)御大に敬意を表し席は立たなかった。
御大の愛するジャズとピアノを聴きながら、えらくゆっくりと流れるスタッフロールを眺めていると、中年を自覚している自分だが「若造よ、焦る事はない。人生は長い」なんて事を御大に言われているような気がした。
劇場を後にした帰り路、ボロボロの愛車パジェロミニのハンドルの感触が妙に心地良かった。
"安全運転で"帰ったぜ。
この独特感に魅了される
巨匠といわれるこの世界感に納得の作品でした。実際にあった事件をベースに仕上げているが、これぞクリント・イーストウッドだと思う演出の数々。あっという間に引き込まれました。アクターとしてもまだまだイケそうですね!
エンディングの潔さに脱帽です。
是非映画館で🎦
クリント・イーストウッド!
90歳になろうかという高齢にもかかわらず、これだけの佳作を撮って、出演するヴァイタリティーには頭が下がる。内容は家族愛を問う解りやすさに徹し、そこに至る舞台立てがとても上手い。飄々とした気の良い爺様が物凄い量のコカインを運ぶ運び屋だとは、とてもじゃないが誰も予測すらしない。まさに現実は小説より奇なり。目の付け所が違う。後何本撮れるか、出演出来るかは時間の問題になって来ているが、また新作を見たいものだ。
徐々に盛り上がっていき最後見事感情MAX
映画のタイトルからも、そしてまたイーストウッドという名からも、個人的に予想していなかった物凄い感動を覚えた。
映画人イーストウッド、同時に人間イーストウッドの集大成のような作品に思えた。といっても、彼のこれまでの作品の中では最も地味な内容だった気がしたけれど、面白さは際立っていたように思う。老いたそのさまを、惜しげもなくナチュラルに出し切っているイーストウッドにただただ感銘するのみ。
正直、最初感じた絵的な物足りなさは、この作品が持つメッセージ性の前ではもはやどうでもいいことだった。
決して若造には作ることができない映画である。
家族への失われた時間の代償❗
星🌟🌟🌟🌟 クリント・イーストウッドの作品初めて観ました❗派手な作品ではないですが凄く良かったです❗仕事一筋で家庭を顧みず妻と子供に逃げられた男を演じていますがなぜか憎めない❗娘も妻も本当に嫌ってはいなくてちゃんと向き合って欲しかったのでは…仕事がなくなってヤバい仕事と分かった後も仕事を続けたのは稼いだ金で家族の絆を取り戻そうとしたから…でもその代償は大きい❗家庭持ちの仕事人間には身につまされる映画では… でも仕事忙しい人は映画観ないか…⁉ラスト裁判のシーンはいさぎよくてカッコ良かった❗
俳優マンの歩んできた人生が穏やかに染み渡る
普通のじいさんがひょんなことから麻薬の運び屋をすとになる話。
ハードボイルド……と思いきやほのぼのしてる~。
麻薬の話でありながら緊張感のない独特の空気。。
じいさんのゆったり具合に周りの怖い人達もほのぼのしちゃうのがおかしかったです。
でもゆったりはいいぞ~、ってなのが本筋ではない。
ほがらかながら年長者ならではの人生の重みを感じる演技、セリフ、プロット。
晩年を迎える俳優が自分の人生そのものを感じさせる役柄を演じる、ってのはハリー・ディーン・スタントンの『ラッキー』と同タイプ。
言葉の重みがすごいです。
俳優としての、そして人間としての歩みにグッとくる。
ただ……うーん、映画トータルで見ると個人的にはドカンとくるモノはなかったかな?
案外地味だったといいいますか。
好きなポイントは、マフィア達のメキシコ(スペイン?)訛りの英語が陽気&ギラついててかっこいいとこ。
そんなマフィアに劣らず口が悪いクリント・イーストウッドの口調もええっす。
旅の果て
金、時間、家族。
この人生を構成する3つをテーマにできるのは、
長い生涯を映画に捧げてきたイーストウッドだけだろう。
人生というあての無い旅の最期に
偶然にも現れたわき道。
その道を通して過去を掘り起こした男は
ようやく自分の歩んできた道を知る。
幾多に存在する悩みの種からしか幸せの花は咲かないのだとイーストウッドの生きざまを通して教えてくれる。
悪くない作品だが1年後には忘れていそう
孤独な老人が、金に困りふらーっと悪事に手を染めるストーリー。
決して悪人ではないかもしれないが、87歳にもなってこの分別の無さは驚きだ。孤独さこそ共感対象ではあるものの、心身共に限界まで追い込まれて、とかではなく、ふらーっと悪事に走ってしまうストーリーはよく考えると不可解、というか理解できない。
個人的には、真っ黒な犯罪者にするか、もっと追い込まれた上での止むに止まれぬ犯罪として描くか、の方が良かったと思う。誰でもこうなり得るということをメッセージにしたかった?だとしたら、悪意に溢れた世の中より、余程恐ろしい世の中だ。
色々考えさせる映画だったかもしれない。でも考えさせた挙句に結論がぼんやりしてしまって、なんとも消化不良な映画だった。
人生100年時代、いやまだまだ
「仕事の流儀」的な映画だと思ったら、そんなことはなかった。むしろ「年齢なんか関係ねぇー」そんな映画でした。
87歳のアールは困ってる家族や友人の為に運び屋するのですが、第一に、自身が運び屋の仕事を楽しんでるようでした。なにより長距離ドライブが大好きなんですよねこの爺さん。カーステレオから流れる音楽が、どれもヒョイっと弾むようでした。(あと若っけぇ女も大好きで、インターネットというものは大嫌い)
そんなこんなで、カルテルやDEAが絡んでるくるのですが、まさか87歳の爺さんだとは思わないわけです。
クリント・イーストウッドの飄々とした哀愁の漂う演技はもちろんですが、DEA捜査官を演じたブラッドリー・クーパーの演技も良かった。運び屋が爺さんでなかったらあんな会話やあの表情を見せてなかっただろう。
最後彼のした決断は"老人""お年寄り"だからといったナンセンスな偏見を打ち破るようでした。(俺のしたことだ俺が始末する。)
からの、エンディング。歌詞の一つ一つがこの映画を集約しているようでした。
10年以来のクリント・イーストウッド主演作、自身の人生を反映している部分が多いようです。
いつまでも若々しく。
主演するとは思っていなかった
根っからの役者なのだなと。
イーストウッド好きとしては嬉しい限りだが、
流石にどこからどう見てもお爺ちゃんでした。
周りの同世代に比べたら若々しく描かれてはいるが。
好き嫌いは別れそうな内容。
マフィアとコメディチックなやり取りがあるのは面白い。
終盤のマフィアは何故見失ったのか。
そしてしばらくその状態だったのか。
そこだけは疑問が拭えなかった。
(注目すべき点ではないのだろうけど)
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