運び屋のレビュー・感想・評価
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なんか何も考えてない感ビンビン!
主人公は物事を深く考えずその時に楽な、楽しい方に生きてきたので途中からは後悔に苛まれる。でも、わかっているけどやめられない。でもでも最後の最後に気づいたのだ。でもでもでもちょっとするとまた忘れて歌を歌ってそう。
イーストウッドはもはやウディ アレンと双璧です。どんどん傑作を作り出してほしい。
イーストウッドに馴染みがなくても大丈夫
巨匠クリント・イーストウッドが監督兼出演の作品です。
正直、彼が出演している作品は初めて観ました。
食わず嫌いということかもしれませんが、なんとなく年代も合わないし、最初はCM観ても興味が湧かなかったんですね。
でも、それでは本当にただの食わず嫌いで終わってしまうと思って、えいっと観に行ってきました。
結論は、『面白い!』です。
人生の失意の中で、やっと手にしたチャンスがまた、よりによって麻薬の運び屋という超危険なミッション。
でも、やるしかないし、すべてを失った自分にはもうこれくらいしかないんだっていうような、投げやり感と、でも残した家族に対しての愛情が所々見え隠れするところが、また観るものの心を掴むなと思いました。
「家族は大事だ」という、その一言をここまで重く、深く言えるのは、修羅場をくぐって得た経験があってのものだと思うんです。
人生は、決して失敗ばかりじゃないこと、失意の中にも、大切なものを掴むチャンスがあること、老いもまた善きこと、人生はまっすぐに進んでいかないからこそ、偶然に見つけた景色に心打たれること。
そんな、沢山の教訓を、一人の人生を通して教えてもらえた気がしました。
仕事で忙しくて、最近家族にサービスしてないなって思う人とか、ただいま絶望絶頂期なんて人は、とても素晴らしい映画に感じられるのではないでしょうか。
もちろん、今はとても満足した人生を生きているという人であっても、きっと観て良かったと思えると思います。
イーストウッド最高!
10年振りの俳優復活とあって期待してました♪
麻薬事業が運び屋でも儲かるとよく分かる。
懲役を食らっても3年で出られて金持ちになるって
アメリカは麻薬関係で刑務所がいっぱいになるから刑も軽いのかは謎だけど人生全うした老人に失う物なんて
無いよね♪
オレオレ詐偽に引っ掛かる老人よりマシだとすら思う。
結果的に家族を取り戻す事に成功した彼は人生に勝ったのだ。
イーストウッドは見事にその老人を演じていた。
まだまだ俳優を続けられそうで安心しました♪
生涯現役のイーストウッドに乾杯🍻
老いて尚
スクリーンに戻ってきたその理由は、未だ“老いを迎い入れていない”点に他ならない。ふとした瞬間“彼そのもの”と見間違う点が、イーストウッド作品における一つの特質だろう。スクリーンに映し出される、目元に宿る鋭くも物悲しい眼差しは、過去諸々の総括の果てに行き着く、人生の悲哀が反映されている様で切ない。だから良い。幸福で幸運な期間は短い、そんな人の世を正直に切取る彼の作品はいつだって信用できるのだ。
淡々と進むが、最後は涙します
自暴自棄になりそうな主人公が、人生の最後に家族や友人、捜査官までに、述懐を込めてメッセージを送る。麻薬の運び屋は、彼の集大成になるのだが、老人のできることって何だろうとか家族の大切さとか、色んなことを考えさせられます。最後は涙無くしては観れませんでした。
心の深いところにジーンときました
さすがはクリント・イーストウッドという作品でした
予告を観てから、麻薬を運ぶという犯罪がテーマの作品かと思っていたら家族愛がテーマだったと思います
大量の麻薬を運んでるのにラジオを聴きながら歌ってるという呑気なおじいちゃんで、どんどん追い詰められる包囲網にハラハラするという事もなく予告のイメージとは違いました
クリント・イーストウッド演じるアールがブラッドリー・クーパー演じる捜査官に話す事が、クリント・イーストウッド自身が伝えたい事のように思えて、その言葉が心に沁みました
エンディング曲が映画にピッタリでした
観てとても良かったです
クリントイーストウッドが
粋な台詞を続々と発して魅せる
燻し銀の凛々しい「老い」。
死ぬまで拘り続けるべきこととは...
昨日より今日。今日より明日。
人生の終盤で高まる想いに戸惑いながらも
静かにしたたかに愛を運び続けた男が
家族を抱き締めるラブストーリー。
渋い。渋過ぎた。
クリントイーストウッドが人生の終盤に、よりヒューマンドキュメンタリー的な作品をリリースしていくところに興味がある。
なんてカッコいい老い方なんだ。
最高にヒーローだ。
淡々と描かれるマニッシュな映像美
悪を犯しながらも、麻薬の運び屋をやり続けた実話をイーストウッドが熱演。
まもなく90を迎える彼と主人公の心境はきっとどこかでオーバーラップしていたのだろう。あまりに自然すぎる演技に、肩の荷が降りる気持ちで観ていた。
仕事に没頭した男が、人生の終着点で最も大切な何かに気づけたなら、それは幸福である。
噛めば噛むほど味わいのある映画だろう。
時間を大切に生きよう
家族より仕事を優先したため孫以外の愛と信頼を失った男がたどり着いたのが麻薬の運び屋だったって話。
頼まれると断れない気さくな爺さんが仕事をこなしていくうちに後戻りできなくなっていくのが悲しい。
ただ後味は悪くなく構えずに観られる映画です
淡々飄々と進む中で時々挟む自らの経験をもとにした愚痴や忠告の説得力は抜群。監督主演俳優からのメッセージを無駄にしないように生きようと思いました
さすがのイーストウッド作品
良かった。
イーストウッド自身の集大成にしようとしたのか、自身に身を重ねるようなテーマの映画。
最初は冗長なシーンが続く。
確執を抱えた親子の会話。表と裏社会の対比もどこかありきたりな描き方のように見えた。
これからどんな展開になるんだろう、とハラハラするが警察に尋問されるシーンも、裏社会の人間たちとの会話にもあまり緊張感が伝わってこなかった。
それでも目が離せずストーリーに引き込まれていくのは、イーストウッドの怪演のおかげだろう。
老いてからの過ごしかた、人生お金じゃない、などよくあるテーマ、セリフ。それがなぜいちいち沁みてくるのか。経験した人でしか語れない、現せないイーストウッドならではの視点で描かれているから と これもまたありきたりな感想だけれども、人生の深みを味わえるイーストウッドの集大成の映画 と思いたい。
イーストウッドの映画史ももうすぐ、、
いつまでイーストウッドウッドの新作を観れるのかわからない領域にはいっていることは重々承知のうえで、なくなって欲しくない物語のフォーマットをいろいろ思い出してた。今回はとくにパーフェクトワールドとかを思い出しながら。イーストウッドウッドもさることながら、ダイアン・ウィーストも一瞬誰かわかんなかったりして、ほんとにこの人たちを観ながら育ったんだな、自分も歳をとったんだ、とテーマが重層的に広がり、あの主題歌でなんとかなく、あの花を育ててる顔を観ながら自分のこと老後を考えてるしまった。
素晴らしい匠の技
物語は色々な所で書かれているから割愛するが、家族を蔑ろにしていた老人が自分を見つめ直す話。
淡々とした語り口だけど、作品への没入感は素晴らしかった。2時間があっという間に感じられた。
それは、老人と同じ目線で彼の人生を追体験しているからだろう。ライフルや拳銃を持った麻薬組織の人間と対峙している緊張感、どうなるのか先が見えないが簡単に金が稼げてしまう、充足感。並行して迫ってくる麻薬捜査班の追跡。
これらが気持ちの良いリズムで、見せ方で作品の起伏を作っている。一切の無駄がない、まさに職人の、匠の技だった。
編集のジョエル・コックスはイーストウッドと長年のコンビを組んでいて今回も息の合った見事な仕事を見せてもらえた。年齢的にもあと何作観ることが叶うか判らないが、一つでも多くの作品を観たい。
イメージは裏切られましたが
あらすじを読んで、
少し前にリバイバル上映された「恐怖の報酬」を連想しましたが、
こちらは何を運んでいるか知らされないまま、
極悪の道を進んでいた、、、
ストーリーとは裏腹にクリントの演技や、
ジャブのように効いてくるオトボケが
この映画の最大の魅力でした。
もし、自分が老いてまだ体が動くなら、
同じ態度を取れるかな、、、
でも日本はここまでじゃないだろうしな、、、
図々しくも考えながら観ているのは楽しかったです。
しかし、アメリカの車って逐一デカい。
ヒスパニック系恐い。
白人のジイさんって黒人に対してああいう物言いする人、
未だに多いんだろうな、、、
アメリカの一面もいろいろ垣間見れて、
でもスリリングで、でものん気で、、、
ラストシーン、刑務所で生業だった花の世話は、今クリント・イーストウッドが映画に対する意識そのままを表しているようにも感じました。
「グリーン・ブック」とツインパックで観るのもいいかも(ΦωΦ)
"100歳まで生きたいと思うのは、99歳だけさ"
奇しくも日本公開日当日に、ザ・デストロイヤーが逝去した(享年88歳)。大昔、プロレスラーとして、力道山やジャイアント馬場と闘った伝説の人である。
そのザ・デストロイヤーと同い年のクリント・イーストウッド監督の新作にして、10年ぶりの主演作である。芸歴65年、88歳!
監督としてもアカデミー作品賞・監督賞を2回、本作の世界興収はすでに100億円を越え、今なお、現役トップランナーである。"巨匠"という形容はこの人のためにある。
10年ぶりの主演といっても、それは"自分が必要とされる役柄"かどうかを、監督として冷静に判断しているからに過ぎない。ロバート・ロレンツ監督の「人生の特等席」(2012)では、その脚本の良さと盟友のために俳優引退を撤回している。
そういう意味で、本作は"巨匠"のために作られた役柄に間違いない。
ニューヨーク・タイムズに掲載された記事「シナロアカルテルの90歳の麻薬運び屋」(The Sinaloa Cartel's 90-Year-Old Drug Mule)を原案としている。
90歳の老人がメキシコ麻薬カルテルの運び屋をやっていたという、実際に起きた事件からインスパイアされたオリジナルである。"Mule"=ラバである。
モデルが90歳の犯罪者ということに加え、「グラン・トリノ」(2009)のニック・シェンクが、巨匠のために書き下ろした脚本という、観る前から保証された"企画の勝利"である。
園芸家として、"デイリリー"(ヘメロカリス=ユリの一種)の育成に生涯を捧げてきた主人公アール・ストーン。仕事一筋で家族を顧みなかったうえに、老いて破産。農園も自宅も差し押さえられてしまう。
そんなアールが声を掛けられたのが、"車の運転さえすればいい"という仕事だった。妻や娘にも絶縁された主人公が家族との関係を修復していく物語。
デイリリーは、その名の通り"一日花"。丹精こめて育てても、花が咲くのは一瞬。その一瞬を、90年の人生と重ね合わせている。
ニック・シェンクの脚本が実に巧みだ。クライマックスで、含蓄のある名セリフが連続する。
"大きな代償を払って、やっと家族が大事だと気づいた"。
"100歳まで生きたいと思うのは、99歳だけさ"。
また個人的な贖罪のウラで、メキシコ移民や黒人などのマイノリティと米国社会、警察との差別環境を描いている。
退役軍人のアールが転がすトラックはアメ車(フォード→リンカーン・マークLT)であり、典型的なアメリカ白人の代表だ。
お金に余裕があると、すぐにコールガールを2名セットで呼び、会話で"バイアグラ(心臓病の薬)"のことを話す、エロじじいである。
アールがパンクした車で困っている黒人家族を助けるとき、"ニグロ(好まれない差別用語)"と発したり、カルテルの手下を連れてポークサンド店で"シロばかりの店にタコス野郎2人"と、何気なく言ってしまう。
アール自身は、いたってニュートラルなのだが、"差別や恥を意識していない"という"白人の潜在的な罪"をセリフに散りばめている。
画質は単なる2K。4K IMAX(撮影は6.5K)の「ハドソン川の奇跡」(2016)のようなシャープで鮮烈な画はない。 イーストウッド監督は、脚本や演技に集中しているからなのか、本作では画質にこだわっていない。ほんとうは製作環境を選べる立場の巨匠には、ぜひ最高クオリティを目指してほしい。ここだけ残念。
最後に余談だが、日本にも負けず劣らず、87歳で毎年ヒット作を送り出している"巨匠"・山田洋次監督がいることを、日本人は忘れてはいけない。年末には「男はつらいよ50」(仮題)が控える。
(2019/3/8/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ/字幕:松浦美奈)
頑固ジジイの・・・
クリント・イーストウッドの映画、それも本人が主演した作品の主人公の性格は皮肉れている。いつだってそうだ。
あの「グラン・トリノ」にしても、「人生の特等席」にしても、今という時代についていけず、不満や不平を言い放つ。もちろんパソコンやスマホといったIT機器は大嫌いだ。このアールにしても、自分の職業を追われたのがインターネット通販によるものだから、頭にくるのはよくわかる。そんな時代についていけない人たちの声を代弁し、負けるのはわかっていてもそれでも言わないと気が済まない。
この映画に出てくるイーストウッドは、まあ、よぼよぼ一歩手前といったところか。
歩き方にしても、時速にして3.5キロくらいか?
話す速度も通常の人の半分くらい。
なんにしてもまどろっこしいのだ。
あのダーティ・ハリーの拳銃を打つ時の格好良さはどこにいった!
そりや〜、仕方ないだろう。なんせ、88歳だぜ。
だけど、一つのことをやらせるとすごい。運転にしても不器用に見えて確実にことを運ぶのだ。あまり複雑に考えず、やらせてみせるのなら、88歳の男に任せるのが無難だって思わせる。
アールが人生を振り返って、一番悔いが残るのが家族のことだ。
娘の結婚式にも、孫娘の卒業式にも、自分の仕事を優先させて行かなかった。それなのに、孫娘の結婚式にはちゃっかり行こうとした彼に、孫娘は喜び、娘は自分勝手と叫び、妻は優しくNOと言った。3人3様の受け答えがあった。
そして、最後の法廷で「自分は有罪だ」と言って、裁きを受ける。
それは運び屋としての罪と同時に、家族をないがしろにしていた自分の人生に対しての有罪だったのではないかと思う。そして、なんとも言えないのが囚人たちの労役のシーン。満開に咲いた花をみて満足そうなアールの顔。この場面を見ただけで、ぼくも涙が出たのだった。評価A
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