「イースドウッド監督の覚悟を感じる作品」運び屋 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
イースドウッド監督の覚悟を感じる作品
やはりイーストウッド監督作品は一味違う。年老いた麻薬の運び屋の話しに、仕事命の男と家族の話を巧みに織り込み、男の生き方を問う人間ドラマに仕上げているのはお見事。全編、淡々と進んでいくストーリー、イーストウッドを筆頭にした演者達の表情で、リアルな作品に仕上がっている。
本作の主人公は、退役軍人であるアール・ストーン(クリント・イーストウッド)。彼は、家族より仕事を優先して生きてきた。彼は、園芸業で成功を収めるが、インターネットの波に飲まれ、窮地に追い込まれる。そんな時、運び屋の仕事が舞い込む。彼は引き受けるが、やがて、運ぶものが何かに気付く。そんな彼に過酷な試練が訪れる・・・。
メインテーマは、運び屋ではなく、仕事と家庭。普遍的というか日本人には身近過ぎるテーマである。家庭を顧みず仕事を優先する主人公の姿は、イースドウッド自身の過去を重ね合わせたものだろうし、日本男性にとっては、リアル過ぎる問題である。但し、イーストウッド演じる主人公は仕事に追われるのではなく、脚光を浴びたいタイプである。彼は、家庭での幸せより、外の社会での脚光を求める。当然、家族には理解されず、家庭に居場所はなくなる。
主人公は生真面目ではない。老いを受け入れず、自分らしくあろうとする。特に、スーツを着たときは、色気すら感じる。彼は、運び屋としての旅をエンジョイしている。危ないところは、人生経験に培われた機転で上手に免れる。老いを楽しんでいる雰囲気がある。彼の心情はラストソングの歌詞に如実に現れている。歳を重ねても、自分らしく生きることの大切さを表現している。
そんな彼も、ラストは、人間らしい選択をする。遅きに失した感はあるが、本当に大切なものに気付く。
イーストウッド監督は、80歳を超えて監督と主役を熟している。映画に賭ける並々ならぬ情熱を感じる。達観せず次を意識させるラストソングに命ある限り映画を作り続けるのだという覚悟を感じた。
今晩は
共感そしてコメントありがとうございます。
今さっき、近代さんから教えていただいたのですが、
最新作が完成したそうです。
「Juror#2」の題名でこの暮れにアメリカでは
公開されるそうです。法廷ミステリーとのことです。
楽しみですね。
みかずきさん
こんにちは(^^)/共感したあと
コメント忘れてました(´▽`)
イーストウッド氏の俳優人生も長くて
大御所ですね。
「運び屋」 劇場で鑑賞した時
思わず、笑ってしまったもの
自然な演技で、見事でしたね。
覚悟を感じる作品
仰るとおりでした。
あっ、ぱおうさんを発見したので
フォローさせて頂き
みかずきさんや、猫たんさんへ
辿れるように しました。
再会できて 良かったですね☆彡