「そばにいるためにお金なんて必要ないわ」運び屋 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
そばにいるためにお金なんて必要ないわ
クリックして本文を読む
映画「運び屋」(クリント・イーストウッド監督)から。
ストーリー的には、メキシコ麻薬カルテルの「運び屋」で、
やや面白みに欠けたが、90歳に近い老人が
どうしてこのような仕事に足を踏み入れたのか、
大変興味があった。
その答えは、奥さんとの会話で理解できた。
「あなたはいつも外に生きてた。
各地での品評会や人付き合い、注目の的でいたいのね。
みんなを楽しませ、素晴らしい人と言われる。
家にいてもあなたは早く外へ戻りたがる」
「その通り、外で認められる方がずっと大事だと思った。
家での俺は役立たずだから・・」
そう、働いている男にとって、家の外と内では、
どうしても評価される「外」を選択したくなる。
だから麻薬の運び屋でも、評価される仕事を選び、
危険をおかして得た報酬で家族を喜ばせようとした。
ちょっと極端だけど、わからなくない。(汗)
それを知っている妻は、そっと囁く。
「そばにいるためにお金なんて必要ないわ」
外で評価されることが家族のため、と勘違いしていた。
しかし定年退職し、家族といる時間が増えたこともあり、
この台詞は、なぜか私の腑に落ちた。
今頃?と思うかもしれないが、今でも気付いてよかったな。
これから、やり直せるから。
コメントする