「イーストウッドと車」運び屋 MAKOさんの映画レビュー(感想・評価)
イーストウッドと車
本来、満点は点けない主義なんだが(何処にも不満点の無い映画など存在しない)この作品から星を削る事は出来なかった。
全世界の男が観るべき傑作、「グラン·トリノ」に匹敵する作品。
脚本家が同じらしく、実際共通点も多い。
主人公が家庭に失敗した孤独な老人であること。(イーストウッド本人も4回の結婚と離婚を繰り返している)朝鮮戦争を経験していること。車が重要なアイテムになっていること。若造に説教をすること!
満点つけたが勿論不満な点が無い訳じゃない。マイケル·ペーニャはギャング側の方がキャラが活きたんじゃないかとは思うし、あのギャング達は一体どうなったんだ?と気にはなった。
しかしイーストウッド御大が「これでいいんだ。」と完成させたのであれば、ちんぴらレビュアーがケチをつけるところではないんだろう。
劇中、御大が髪を整えスーツをビシッとキメているシーンがあり、なんてカッコイイんだろうと思った。こんな爺様に成りたいと思った。身長が20センチ程足りないが。
日頃劇場で映画を観てもあまりエンドロールには付き合わない主義だが(通ぶって時間無駄にするなんてナンセンス)御大に敬意を表し席は立たなかった。
御大の愛するジャズとピアノを聴きながら、えらくゆっくりと流れるスタッフロールを眺めていると、中年を自覚している自分だが「若造よ、焦る事はない。人生は長い」なんて事を御大に言われているような気がした。
劇場を後にした帰り路、ボロボロの愛車パジェロミニのハンドルの感触が妙に心地良かった。
"安全運転で"帰ったぜ。
いつもコメントと共感ありがとうございます。
「運び屋」は久々にDVD定価で買わねばと思える映画でした。(中古だと御大のニガい顔が目に浮かぶ 笑)
「アリータ」は自分も2D鑑賞でしたが十分な迫力でしたよ。眼は…まあいいか(笑)。
ではまたいずれ何かのレビューで。
MAKOさん、きびなごです。
『アリータ』へのコメントありがとうございました!
実はロドリゲス監督自身がインタビューで語ってるんですが、ご推察通り、キャメロン版の脚本は3時間ほどのボリュームがあったそうですよ。
「じゃっどんこげん長かとゼニもかかっでねぇ、かなわんど(だけどこんなに長いと予算も掛かってしまうから困っているんだよ)」という話を聞いたロドリゲスが、無償で脚本をリライトして2時間分に圧縮し、それをキャメロンが非常に気に入って監督も任せることにした、という流れだそうです。
実際、物語の肝である主人公アリータの物語としては申し分無い出来だったと感じます。僕がネチネチ指摘してる部分も、実はキャメロン版には載ってた可能性高そうですよねえ。元脚本読んでみたい……。
三白眼の再現(笑) いやあ、
そこはWETAデジタルも盲点だったかも(笑)
『運び屋』も良い映画でした。なんなんでしょうね、
イーストウッド作品特有のあの問答無用の説得力は。
老いてもなおカッコいいと思える生き様と、
老いることで見えてくる人生への後悔とが
入り雑じった映画だったと思います。
それではこの辺で!