ウィーアーリトルゾンビーズのレビュー・感想・評価
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絶望ダッサ
長久允監督作品「WE ARE LITTLE ZOMBIES」を観ました。
カット作りが美しく、絵が切り替わる度にハッとさせられます。
ドットなどを随所に散りばめたアートワークも効果的で、それに合わせた音楽もとても良い。
独特なテンポを持った台詞回しも面白く、アクの強いワードがポンポン出てきて刺激的です。ずっと頭に残るんですよ。
ビビッドで軽快ながらベースには重いテーマもあり、あの世代の無軌道で無自覚な危うさや儚さもしっかり描かれていました。
脇を固めた役者がしっかりしていて、だからこそ子どもたちの存在感が強くなっていたのでしょう。
子どもたちの芝居も良くて、無機質な感じ(そうゆう演技指導でしょう)が逆に自然で、大人の世界とのメリハリが付いていて良かった。
特に中島セナの存在感はすごかった。
あと、観ていてどこか「台風クラブ」を感じましたね。
音楽もですが歌も良く、「this will be our year」の演出なんて本当にすごいと思う。
こちらも頭から離れず、すぐサントラ買いました。
しっかり120分あったけど、あっという間に感じたのは情報量が多いから?
どちらにしろ最初から最後まで楽しかった。
ラストのカットも美しく、とても心に残る愛くるしい作品でした。
素晴らしかったです。
エモいは古い
生きながらに死んでるかのようなキッズ達のやり取りが楽しい。感情ゼロと棒読みは紙一重だけど、作品全体のサブカル臭と相まって気にならず観れました。
面白かったのかというと微妙だけど、つまらなくはない。もうちょっとコンパクトにまとめてくれたらもっと観やすかったなーとも思います。イクコを演じた中島セナちゃんの鋭い眼差しが印象的でした。
俺たちだってウィーアーリトルゾンビーズ。
この映画はカメラワークはグッチャグチャだし内容に整合性なんて取れていないから、評論家達はカッコつけて★1を付けるだろう。そもそも映画とは違う1つの映像作品だと判断して観れば、これほどサイケデリックで、ロックで、パンクで、ピュアなものは無いだろう。
LITTLE ZOMBIESのブレーン、中島セナがただ美しく3人のクソガキを俯瞰する姿はもはや芸術。
ひとつの音楽を観る作品として観るなら、かなりオススメだと思う。音楽好きは必見。
今の子どもたちが、ゾンビにならずに生きるには
ヘンな映画だろうなーと思ってたけどほんとにヘンな映画だった。
メインの4人は両親を突然死で亡くしたばかりの13歳。
だけど彼らは悲しくも嬉しくもなさそうな無表情で、シニカルな会話を交わしながらRPGみたいにパーティーを組んで冒険を続ける。
演出は(たぶん言われたくないだろうけど)初期の中島哲也みたい。
起こってることはものすごくアップダウンがあってとんでもないのに、彼らは常に淡々としている。
でも確かに、子供の頃ってあんなふうだったなーって気もする。
実際に彼らと同じくらいの子たちが観たらどう思うんだろう。
生まれた時から「日本は下り坂だ」とか言われてる今の子供たちがシニカルにならずに生きるのって、私たちが思ってる以上に難しいんだろうなと思う。
「どうせたいした未来は待ってない」そう思ってるほうがきっと楽だ。
そういう中で「ゾンビ」にならずに生きるには?…っていう映画だったのかなと。
子供たちの脇を固める役者陣が異様に豪華で多彩。
ヒカリの奥さん誰だ?と思ったら唐本雅子だったのかああ!
菊地成孔のくだりはやりすぎだと思いつつ爆笑してしまった。
あとエンドロール明けの最後の終わり方が超好きでした。
何かが起きて何か変わったし何も変わらなかった
ファミレスでよく売っていた携帯ゲーム機の形をした輪投げゲームを覚えていますか。中が透明な液体で満たされていてその水流でピンクやライトグリーンのプラスチックの輪っかを棒に引っ掛けるだけ。それだけのゲーム。カラフルな輪っかがふわふわと躍る液体のなかにファミレスの日常がとろみがかって滲んでいる。輪っかが棒に入ったところで何が起きるわけでもない。楽しいのかつまらないのかももはや分からない。でも何となくその時間は思い出すと愛おしい。エモい。エモいって古っ。この映画はそんな映画かもしれない。何かが起こる。けど何も変わらないかもしれない。でもゾンビな彼らにとって愛おしい時間があった。
とても良い映画だった。
何が劇的な変化を求める鑑賞者には物足りなく感じるかもしれないが私のような鑑賞者にとっては大切で決定的なものを得た気分だ。
酷評してるレビューもあるけど、おもろかった
バンドシーン、音楽、映像美、良かったです。
内容は見やすいし、わかりやすい。
でもこの映画自体宣伝が少ないのか、この映画の存在を知らなかった。
中島セナさんの活躍に今後期待してます!眼差しがとてもよい。
生きてるのに死んでる気分の人は必見!
両親を失った悲しみが自分の中にあるかどうかも自覚出来ないような少年の夢旅物語。
いろんな情報や色彩や音楽がごった返して一見グッチャグチャだし、中盤までちょっとダレたりするんですが、子供の時の頭の中ってまさにこんな感じだった!!
大人ぶってるけどやっぱり子供なんだよなぁ..ていうあの特有のアンバランス感が絶妙に描かれてると思いました。
世の中と自分は無関係と突きやる価値観だったり、冷めた目線や、自分と向き合うことを放棄していたり、でも内心はすごく寂しいことを無意識に訴えてたりする さみしい子供達の姿が段々とくっきりしていって、それが気持ちよかったです。台詞回しと配置が独特だけど上手いなぁ と感じました。
俳優陣も豪華でしたが、映像クリエイターも新進気鋭が揃いまくりで(カメオ出演までしてる方も) そちらも充分楽しめる要素だったかと!
お祭り騒ぎでしたが、なんだかずっと観ていられる世界観と 主題歌の少年の声と ラストで満足です。ごちそうさまでした。
3度観て真に感動
1度目
ゾンビ映画じゃない。新しい。音楽良い。色彩感凄い。台詞鋭い。情報量多過ぎてわかり難い。面白いけどそれだけじゃない筈。もう1度観て確かめないと。
2度目
詩的、哲学的。笑える。これがこうなってたのか~。うんうん、大好き。良い映画。
3度目
ヤバいでしょ、泣けるでしょ!!!台詞の必然性、緻密な構成。セーブゾーン…。監督天才過ぎでしょ!!!
要素が多過ぎて1度だけではどこかの面しか観えてこないかもしれないのがこの映画の唯一の欠点。理解力の乏しい自分は予備知識があった方が良かった。でもそれは大人だからなのかも。
頭の回転が速くて孤独な君なら1度で共感すると思うよ。
面白く感じないのは世代のせい?
親をなくして感情を失った中学生4人が組んだバンドが伝説を作るって話。
ファミコンやゲームボーイ時代のビット絵RPGのイメージで物語が展開していく手法はなかなかよかった。結構インディーズ映画だと思ってたので、こんな人が出てるんだ、へーあの人も、え!この人まで!って驚いてしまった。電通か?電通の力なのか!?
内容に関して言えば、複雑な感想だった。何かメッセージがあるようでいて、実は何もないんじゃないか?と思ってしまう。それくらいわかりやすい映画ではなかった。
中学生くらいの子たちが感じる大人への不信感や、古い言葉への拒否反応なんかは、本当にそんな思いを抱くのかそんな世代の人たちに聞いてみたくなる。どうも大人がイメージする今の中学生って感じがしてしまう。
曲は悪くないし、撮影方法や演出も凝っている。スマホを持った大人がゾンビのように駅にうろついてる映像とかは秀逸。でも、色々やりたいアイデアがありすぎて詰め込みすぎ感が。ラストも納得いかないし!もっとシンプルにした監督の映画を観てみたい。
あ、ちなみに縦書きのエンドロール(右に流れる)はなかなかよい。
偏差値80以下の普通の人々へ・・・
テラヤマ、ソウマイ、
ブニュエル、クストリッツァ(ゲンキゲンキ)、
ゼイアー ゼイアー リアルゾンビ
セイハロー
ヨクナイコレコレヨクナイ
コンナンコンナンヤラレタラ
ウィアーウィアータダノゾンビ
※ツキノアカリトドカナイ
カナシクテモツラクナイ
コンナンコンナンヤラレタラ
ウィアーウィアーフツーニゾンビ
テラヤマ、ソウマイ、
ブニュエル、クストリッツァ(ゲンキゲンキ)、
ゼイアー ゼイアー リアルゾンビ
キンジラレタアソビ
ミッシェルミッシェル
ママーママー
ココロノベストテンダイイチイハ
コンナエイガダッタ
ダンスフロアーニ・・・・
※ツキノアカリトドカナイ
カナシクテモツラクナイ
劇中でファミマのメロディに乗せて、
女の子がうたいます。
歴史上の人物の名言や
哲学者の金言を引用する人は、
偏差値80レベル以下(千人に一人、学校で1番レベル)。
道端で見聞する、コト、モノ、メロディを、キャッチして気分を修辞する普遍的な言葉や、魂を揺さぶる詩に変換して、知らんぷりして街中にリリースして忍ばせる人は、偏差値では測れない(万人に一人?国で一人レベル?)。
ほんまでっかー?
例1
チーモンチョーチュー?エー⁈
ファミマのネタも良いが、
コンビ名にアキラの必殺技を使うなんて、
10年早いんだよ!(笑)
例2
バンクシー
ツキノアカリ
トドカナイ
カナシクテモ
ツラクナイ
どうよ最近、与謝野ってる?
ただいまシーーン。
両親に先立たれ火葬場で出会った13歳のヒカリとイシとタケムラとイクコ。
何もかもどーーでもよくて、生きてるんだか死んでるんだかよくわからないリトルゾンビーズ達4人の、狭くて広い世界におけるレトロゲーム風冒険話。
開始1秒でハッとする、独特の表現方法。
演技力の高い子役たちに敢えてなのかセリフの棒読みを徹底させ、冷えたグダグダなテンションを保ちつつ、時に感情的に時にコミカルに忙しく描かれるので一瞬たりとも目が離せない。
バチバチにばら撒かれるインスタントカメラの写真のように、カラフルポップな映像要素の多さも好き。
話の整合性なんてどーーでもいい。
冷静な突っ込みダサッ。
変わり種のおとぎ話のようなベースに現実的な感覚も挟まってくる不思議なストーリー。
最初はこれからどう発展するのかとワクワクしていたけど、バンドやり始めた辺りからもう何でもよくなってきた。
彼らに興味も同情も応援も無いくらいでちょうどいいんじゃない?
わざとらしいくらいの無感情で空虚で冷め冷めなフリにはちょっと共感。
何にも期待せず、意欲も文句もなく、全てを否定するフリ。そうして自分の周りを固めてしまわないとすぐ崩れ落ちてしまうから。
本気でこれができるのは若く幼い頃に限定されているのかも。今の私は結構楽しいこと多いからなあ…。
エモいとか古っ。絶望ダサッ。は?無視でしょ。
子供たちがあまりにも色々と突き放すので、ついつい私も突き放しモードになったりして。
スマホゾンビの描写ダサッ。大人に喰われる子供とか現代ネット社会の闇っぽい要素入れてくるのもダサッ。
観客に「エモい」と言わせたい狙いがありありと出ちゃってるのダサッ。
でも、熱いとこあるでしょ。やるなら今でしょ。今今今今。4拍子の指揮振ってゴーでしょ。
ゾンビにも体温と感情と命があっていいでしょ。
初めての演奏シーン、トラックの爆走、最後の4人の歩みなど、ところどころでリトルゾンビーズの奥底で燃え滾るものが見えた時、すごく嬉しかった。
カフカの「城」のように、長くゴールの無い未完の人生、ボーーッと命を消費してても仕方ない。
どうせ死ぬなら死んでるならたまには何かやるのも良いし、思いつきで何かやめるのも良いのかも。
ブツブツ言いながら富士の下を歩く4人が可愛い。
びっくりするほどの豪華脇役陣が逆にノイズになってひたすら邪魔だった。
全員無名の中にいとうせいこうとさらば青春の森田が入るくらいで良かったのに。
ダラダラと永遠に観ていられる作品。
しかしどうしても弾け不足に思えることも。テンションぶち上げでもっともっと乗り切りたかった。
音楽が私の好みに沿っていなかったこともあるかも。
なぜか音楽が三浦康嗣だと思い込んでいて、そこが違って勝手にがっかりしてしまった。申し訳ない…。
リトルゾンビーズの衣装がリトゥンぽいなと思ってたら本当にリトゥンだったのが嬉しい。カラフルぐちゃぐちゃで可愛いよ。
パワーの強い言い回しが多くて楽しかった。
キミシニタモウコトナカレー。
派手なところである程度たのしめた
スレた感じや、ビジュアル的に派手できらびやかなところで結構楽しめたけど、これほどまでに否定的な描き方をされると、さすがに見る側も気持ちが荒む。しかもあのオチ的なものは、いかがなものだろう?すべての時間が無くなってしまったような感覚になってしまって、個人的には相当なダメージだったんですけど…。残念ながら悪ふざけ映画に見えてしまいました。
でも、何にも無くなってしまったこと含め、ある程度は楽しめた。
きもちわかりまくる
監督の気持ちがとてもよくわかる。
なぜなら私は監督と同い年、あの頃、雰囲気重視の邦画がたくさんあって、アングラ系のあれやこれやがすごく流行っていた。
個人ブランドの服が飛ぶように売れた時代(ファストファッションが現れる前)この時に思春期を過ごしてそうだなぁと思って観賞後にググるとドンピシャ同い年でアアー!となった。
他の誰とも被りたくないオンリーワンがいいと思って奇抜な格好をしていた思春期を過ごした30代半ばの人は是非観て欲しい。美大や服飾専門などの卒業生は観て欲しい。黒歴史を見てるようでめちゃくちゃ懐かしい気持ちになる。
私はまだ今もそういう気持ちがあるので映画は面白かった。20年前の私に見せたらきっと狂喜乱舞していそう(言い過ぎかな?)
ちょっと尖った青春映画❗
星🌟🌟🌟🌟最初どんな展開になるか凄く不安だったのですが…中盤あたりからこの作品は子供から大人になる過程を描いた青春音楽映画なのだと分かりました❗ただいろいろ歌だのゲームだの尖った演出で魅せているので分かりずらくなってますが意外と単純かも…❗私個人は面白かったです❗ゾンビーズのみんな良かったですが…マネージャー役の池松壮亮がちょっと活躍してました❗町田くんの世界の彼も良かったですが…❗
観客動員が物語る・・・現実
外国の賞を獲り第2のカメ止めって言う人も・・・
ただ主演の子役達を取り巻く役者さんは勿体ないくらい豪華って時点で、カメ止めではない。
作品的には、懐かしいRPGゲーム風なシュール映像と音楽・・・
この面白さ分かる!?って上から目線で試されてるみたい。。。
誰かと一緒に観に行ってたら、終演後に顔見合わせて苦笑いって感じ(^◇^;)
ただあの曲が、頭の中で繰り返されるって点は、制作側の勝ちなのかなw
しかし公開4日目で、鑑賞者6人・・・・
興行的にはかなり厳しそう(。-∀-)
☆2つ
ミュージカルっぽい
子供の歌声が好きなので、楽しめました。
妄想空想や比喩・説明などを映像化した表現がたくさん使われています。最初だけは戸惑うかもしれませんが、すぐに慣れるでしょう。ミュージカルみたいなもんです。
気になったのは、なんの意味があるのか不明のシーンがいくつかあったこと。
すべてのシーンに意味があると仮定して、いろいろ考えてみたのですが、それでも分からない箇所がいくつか残りました。いずれ、インタビューなどで明かされることがあればいいな、と思います。
新しさと古さの同居した奇妙な作風
サイケデリックな色調で、新しさを感じる画面作りは魅力的。
SNSの人気急上昇と炎上による失墜など、今風のネタは盛り込んでいるし、子供の描写は今風でもある。
だが、同時に題材にしたファミコンなど、1980~90年代あたりに戻ったような懐かしさも感じた。
出てくる登場人物に、誰一人としてまともな奴はいない。
特に大人は、正真正銘ろくでなししか出てこない…みたいな、どこか斜に構えた社会に対するスタンスも、少し昔の流行りのような。
新しさと古さの同居。
野心的で面白い。
監督が30代のようだが、「お兄さんたちの文化を背伸びして吸収してきた早熟な子」みたいな人ではないかと思った。
しかしながら、正直言って長く感じる。
長編としての緩急が乏しく、感情の誘導が薄い。
似たような映像・セリフの繰り返しで、中だるみがすごかった。
約120分なのだが、80~90分くらいにつまめば、観ていて疲れなかったと思う。
CMや短編映画を長くつなげて、映画仕立てにした印象がぬぐえない。
好みではあるんだが、人に薦めるかというと微妙。
全53件中、21~40件目を表示