ウィーアーリトルゾンビーズのレビュー・感想・評価
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絢爛豪華な画面の裏側は虚ろ
さまざまな映画技法を次から次へと繰り出すエネルギッシュさに一瞬気圧されそうになるものの、それらが文脈的必然性を持たないコケオドシであることがわかってしまうと途端に冷めてしまう。あと矢崎仁司『三月のライオン』でも思ったことだが、こういう冷笑的な作風の映画で赤ん坊の泣き声を問題解消のメタファーに用いるやり方はかなり強引だし安直だと思う。ジャンプスケアで観客を無理やりビビらせる粗悪なホラー映画と大差がない。
もはやオリジナルというものが成立しない現代にあっては、使い古された主題をどう切り出し、どう編集するのかが創作における最重要項目だと思う。しかし本作は「己の無感情に苦悩する若者」という使い古しもいいところな主題をさも新規で奇特なもののように捉えている節があった。そんなことをいくら饒舌に語られたところで「だから何?」という素朴な疑問符しか浮かんでこない。
おれがかんがえたさいきょうのカルチャー映画
CHAI、菊池成孔、ぼく脳、プラズマ… みんなのこと好きだったけど、こんなにもお金かかってるだけのつまらない作品に出るなんてとてもがっかりした
100番煎じくらいのコスられまくった設定やセリフやシーン、
誰にも感情移入できなかった、キャラクターの誰にも愛らしさを感じなかった、リトルゾンビーズが世で大人気なる説得力がなかった
中身より見た目、
親を亡くした子どもが集まって…とキャッチーで何とも意味あるだろうな設定のこの映画。ハッキリ言って登場人物の内面の掘り下げも表面的だし哲学的な台詞も何となく意味ありげにする為かなと、ほぼ物語の要素は派手なビジュアル性を肯定する為に準備された設定なので感動とか話の意味とかそこに期待してはいけないなという感想です。
大手のCMを沢山手掛けた監督という事もあって全編通してCMばりに濃い画面の作りでちょっと出の配役も豪華、セットや衣装もお金かかってんだろうな仕上がりでオシャレでキャッチーで攻めた映像と業界への太いパイプを感じさせるスタッフロール。これが電○の力…か
ある意味この情報量に対しての無味乾燥な感じが、どこかの誰かのピンポイントな満足のために手間暇かけられて出来た娯楽と、誰かの辛さやしんどさを無いものの様に無視したスキャンダルの消費とそれを見透かした無感動が風船の様なポップでバブルなジャパンポップカルチャーの側面にも見えてしまい。2018年にまで引きずられたバブリーなこの感覚こそがゾンビじゃないのかなと思い至りました。
ただゲームっぽい画面の撮り方やその他の演出も含めて映像的には嫌いじゃないし。アングラで先進的に見えるものを大衆向けに見やすく分かりやすく綺麗にキャッチーに昇華しているところは広告業界的な見せ方として流石でした。とにかくパッとの絵面がいい。
結果なんとも鼻について庶民の私からしたらファッキンインテリジェラシーで相容れないという結果になりました。
カムチャッカより熱い!
監督が1984年生まれというから、80年代に流行ったものが詰め込まれた作品なのだろう。ファミコン世代、映像も不気味なカラー、早口会話のような編集等々。映画的にもATG風、大林風、東宝特撮風だったりして、実験的アナログフィルムの雰囲気をそのままデジタルで撮ったみたいな雰囲気。そういえば、大林監督もCM出身。映像だけは似てると感じた。
両親を亡くした4人の13歳が火葬場で出会う。しかし泣けない。そんな無感情な世代ではあるけど、心の中では愛を求めている(はず)。しかし、頭の良い彼らでもやるせなさを行動に移すことができない。見た目は厭世的、世紀末思想のかたまりなのだ。
リトルゾンビーズの曲は良かったけど、その後の展開がどうも面白くない。金を稼ぐという発想もなかったのだろうし、人生の目的も殺人犯探し?どうも、大人目線で見ると、共感する部分が全くないので、途中で早回ししたくなったほど。時折、ハッとするような美しい映像もあったけど、やはり短編、CM向きだと思う。
電通といえば今や中抜き問題で非難の声も上がってますが、この映画の製作費も中抜きされたのでしょうか?電通社員のまま撮ったらしいけど、社員なら大丈夫そうですね。「大人が金を全部持っていっちゃった・・・」という台詞は大人→電通にしてください!などと思ってはみたものの、視聴したWOWOWの「W座からの招待状」も電通が制作協力・・・金の流れははっきりさせてくださいね。
ポップでシュールなハードボイルドワンダーランド
ゾンビ映画ではない
映画館で観たら印象も感想も星の数も変わったかもしれない
1000円以上2000円未満の金額を出して映画館で映画を観るというのはそういうことだ
こういうわけのわからない現代劇の邦画はさんざん子供のころ観てきた
おそらく70年代あたりから目立ち始めたかもしれない
ハリウッドの主流と違い娯楽ではなく芸術に暴走してしまった時代
逆に懐かしい
21世紀ほぼ20年目なのにこんな商業映画を作るなんて驚いている
とても幻想的だ
マグリットやダリやデルボーの絵が好きじゃない人はおそらくこの映画は苦痛だろう
マグリットなんて漫画ですよと吐き捨てるような脳味噌には絶対に向かない
親を亡くした子ども4人がバンドを組む話
バンドを組むまでは虚無的な羅列が続く
バンドを組んでからも虚無だけど
子供がバンドを組むといえば『ハロー!純一』を思い出したがあっちはアマチュアだがこっちはプロ
ビートルズや聖子ちゃんと一緒にしてはいけない
大人の俳優は豪華な顔ぶれだが強く印象に残ったのは池松壮亮くらい
親を演じた役者さんたちの印象があまり残らない
さらば青春の光の人も出ていたが本人一生懸命にやったはずだが面白くなかった
子ども4人でこれから売れていくのはたぶんイクコ役の中島エナだけだろう
ハリーポッターのエマ・ワトソンと同じ構図だ
ファミコンの音が印象的
ファミコン世代だがファミコンはやったことがない
スーファミやプレステや64やゲームボーイはやったことあるけど
今はやらない
『ときめきメモリアル2』で気持ち悪くなった
ああいう絵は大嫌いだ
エンドロールの終盤にお経になりおまけあり
2019年マイベスト。色、音楽、台詞回し、世界観全てが芸術的
ストーリー自体は、両親を失った中学生が音楽を通じて自分の感情を取り戻していくというシンプルなものだが、8bitアニメ、ロールプレイングゲーム、奇抜な色やデザインと音楽、独特の台詞回し、毒味とユーモア、独自の世界観に最後まで目が離せない。暗くて明るい、重くて楽しい問題作。
ブラックユーモアたっぷり。しかしモヤモヤを抱えながら育った世代の背中を押してくれる作品です。
(※空欄)
タイトルをあえて『(※空欄)』にしたのは、この映画がいいとも悪いとも言えなかったから。いや、そもそも映画なのか?
ただ、今はこの居心地のいい気持ち悪さに身を預けている。
この映画においては『整理されていない』ことが不思議と魅力的だ。主役4人の演技・滑舌・イントネーション、歌と衣装コンセプト、物語にカメラワークなど良くも悪くもしっちゃかめっちゃか。
CMやPVのようなあっと驚く仕掛け満載の画作りが満載で、編集の店舗も早くなったり遅くなったり。音楽もCGも中学生(に戻った監督)の頭の中をのぞいたようなまとまりのないものになっている。
(※ツボにはまる演出も多々あったが)
別にそれらは問題じゃない。映画なんて整理されすぎているほどつまらなくなるし、わかりやすく説明されるほど見る気を無くす。
『意味』なんて観たものがそれぞれ見出せばいいのだから。
だから私は『(※空欄)』とした。
この映画は適度な社会風刺も、見事なキャスティングも成し得ているが、不思議と観た後は何も残らない。
だが、それが悪いとは言わない。
ただ浮かんでは消えていく妄想のように。
でも、それが生きている証なのかも。
ゾンビも妄想する感情をもっているのかも…。
怪作だと思いながら観ていたら、快作だった。
子役四人が、無表情にセリフを棒読み。何だろう、これ?
古いタイプのコンピューターゲームに導かれストーリーは続く。
画面がカラフルになるに連れ、内容がエモくなる。
ラスト、この映画のメッセージが露になる。
怒りを含んだ、アグレッシブな映画であった。
ん…
アイデアの宝庫。すごいと思った。
テーマやセリフの背景もおもしろい。
俳優がほんとに豪華。
でも映画は辛かった…
寓話と割り切れて観られていたら、面白かったと思う。
どうしても先入観で、現代社会を切り取ってデフォルメしたものと観てしまうので、最後まで違和感があった。
ウィーアー、ウィーアー ♪
感動や笑いを期待してはいけない映画。ただ、棒読みのセリフ、わざと下手に歌っている曲、全てがゾンビっぽいのかな。主人公は「そして父になる」の子供だった人ね。大人たちが凄い俳優だらけで映画が締まった。
我々は世界というゲームに試されている?
無感情、無関心、不感症…
それらも、今の世界を生きていくには
当然なスタンスのひとつかもしれない…
「リトルゾンビーズ」の子供たちみたいに
わたしも幼い頃、割り切って振る舞えたら
こんなに苦しまずに生きてこれたかもしれない…
でも今まで生きてきた
こうして今も生きている
ただ自分を1日、また1日と
ひたすら更新し続けるだけ
そう、いのち尽きるまで…
本作『ウィーアーリトルゾンビーズ』は
ポップでキャッチーな軽いノリで
露悪的な要素をポイポイポイポイと
ただ放り込み続けた作品かも知れません。
でも、オリジナル脚本に技巧的なカメラワーク!
印象的なカットに主題のゲーム風音楽!
および作品を彩るその他の楽曲!
メタフィクションの視点から語られるモノローグ!
そしてフィクションを通してスクリーン側の
現実を撃ち抜く手法!
作品の好き・嫌いは別として
表現が豊かなのは確かだと思いますし
なんとも野心的な作風で凄味も感じました!
絵作りにも相当の労力を費やし
編集もかなりの気合いの入れよう!
このことだけは、クリエイターとしての
「長久 允 監督」の手腕を、手放しに称賛!!
メインの子供たちの気取らず瑞々しく
伸びやかな演技に好印象!
実力派たちが脇を固め作品を引き締める!
感性に合うか合わないか?
単純に好きか嫌いか?
我々鑑賞者を選び
試されているような作品ですね…
昔のゲームって最終ステージとかラスボスとか
明確にエンディングが用意されていたのだけれども
今のブラウザゲームって
レベルもアイテムも次から次へと無尽蔵で
明確なコンプリートもなければ
エンディングの存在すらもない
モノばかりの様な気がします…
古い人間のわたしには
そんな目的も達成感もないまま
ゲームを単にダラダラやっている
今の若者の取り巻く世界から
どんな景色が見えているのだろう?
…と疑問に思います。
そんな現代に着想を得て
本作は作られているのかも?
またそんな現代のカウンターとして
本作の意義があるのでしょう…
衝撃作!!
かなりハードモードな作品、実験的且つ攻撃的、冒頭から観客を弄んで転がすような、完全にマウント取られてこちらが必死にしがみついていく感じ。エンドロールが終わってから最後の最後までマーベラス。脇を固めすぎてる豪華出演陣まで含めてまじエモい。
好き嫌いはある
好き嫌いはあると思うが、個人的にはとても良かった。
演出がわりと派手で非現実的、PVのようなところもあるが、音響が丁寧に作られている印象。
劇場で観ることによって活きる音響。音によって、距離感を感じ取ることができたりして、その場にいるような臨場感を感じることができる。
ドット絵や文字、カメラワーク、特徴的な音でRPGのゲームの中の世界観を表現しているのも面白い。
ストーリーとしてはところどころ非現実的ではあるが、親を突然亡くした子供達の背景とも合わせて考えると、逆にカオスな表現で表された感情や、感情に蓋をしてしまっているような感じがリアル。
またSNSと絡めたストーリー展開は暗に現代社会の闇と光を表現しているような気もした。
最後に、それぞれが別々な方向に歩いて行っているところが、とりあえずの答えであり、この子供達の人生はこれからもそれぞれ続いていくということなのかなと思った。
全体的にみて、劇場で観るのにはとても向いている作品だと思う。
親だって人間だ、そしていっぱいいっぱいだったりする。そんな事情を冷...
親だって人間だ、そしていっぱいいっぱいだったりする。そんな事情を冷静に淡々と話すリトルゾンビーズ。
ふてぶてしく、無感情なリトルゾンビーズに重なる自分。あぁあんな感じだったな。
見え隠れする本音は見ない様にしてるけど、そこら辺どう帳尻合わせしていくか。そんな歯がゆい思いで見てしまった。
さてゾンビーズはどう自分と向き合っていくのか?
なんだか自分に向けられた課題かも!?なんてね。
タコの知能は三歳児
けっこうすき。
わざとらしいくらい4人には生きる気力がなくて、引くくらい棒読みにさせていて、こういう冷めた気持ちって共感を呼びやすかったりするけれどもはや全然共感できなくて、序盤は見てるこっちがどんどん冷めちゃうんじゃないかと思った。けれどだんだん4人がとても愛おしくて、エモいとか古。は?無視でしょ。絶望とかダッサ。っていう投げやりの中に、いっそなんでもやってやるっていう野心があって、いつの間にか夢中になって観ていた。
棺桶の中や水槽の中からの視点で撮っていたり、ベタなアニメーションを使う映像は、視覚的に楽しかった。
ゲームをプレイしてるような演出に加えて、4人が話を進めるためにプロローグとかいったり、ご都合セリフも面白かった。音楽とか、言い回しの面白いセリフとかすきだった。
やっぱり池松壮亮の存在感て最高です...
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