劇場公開日 2019年6月14日

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「我々は世界というゲームに試されている?」ウィーアーリトルゾンビーズ 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0我々は世界というゲームに試されている?

2019年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

 無感情、無関心、不感症…

それらも、今の世界を生きていくには
当然なスタンスのひとつかもしれない…

「リトルゾンビーズ」の子供たちみたいに
わたしも幼い頃、割り切って振る舞えたら
こんなに苦しまずに生きてこれたかもしれない…

でも今まで生きてきた
こうして今も生きている

ただ自分を1日、また1日と
ひたすら更新し続けるだけ
そう、いのち尽きるまで…

本作『ウィーアーリトルゾンビーズ』は
ポップでキャッチーな軽いノリで
露悪的な要素をポイポイポイポイと
ただ放り込み続けた作品かも知れません。

でも、オリジナル脚本に技巧的なカメラワーク!
印象的なカットに主題のゲーム風音楽!
および作品を彩るその他の楽曲!
メタフィクションの視点から語られるモノローグ!
そしてフィクションを通してスクリーン側の
現実を撃ち抜く手法!

作品の好き・嫌いは別として
表現が豊かなのは確かだと思いますし
なんとも野心的な作風で凄味も感じました!

絵作りにも相当の労力を費やし
編集もかなりの気合いの入れよう!
このことだけは、クリエイターとしての
「長久 允 監督」の手腕を、手放しに称賛!!

メインの子供たちの気取らず瑞々しく
伸びやかな演技に好印象!
実力派たちが脇を固め作品を引き締める!

感性に合うか合わないか?
単純に好きか嫌いか?
我々鑑賞者を選び
試されているような作品ですね…

昔のゲームって最終ステージとかラスボスとか
明確にエンディングが用意されていたのだけれども
今のブラウザゲームって
レベルもアイテムも次から次へと無尽蔵で
明確なコンプリートもなければ
エンディングの存在すらもない
モノばかりの様な気がします…

古い人間のわたしには
そんな目的も達成感もないまま
ゲームを単にダラダラやっている
今の若者の取り巻く世界から
どんな景色が見えているのだろう?
…と疑問に思います。

そんな現代に着想を得て
本作は作られているのかも?
またそんな現代のカウンターとして
本作の意義があるのでしょう…

野々原 ポコタ