劇場公開日 2020年2月14日

「何が言いたいか分かり易いヤツよりこういう話が好き」影裏 asicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 何が言いたいか分かり易いヤツよりこういう話が好き

2021年11月17日
iPhoneアプリから投稿

出演者が端々に至るまで豪華。

松田兄の、こういう存在感は稀有だし
綾野剛の、小心者な一般的一般人という風貌もいい。

サプライズ的な中村倫也は、もう声でわかるし
安田顕の兄もいい。

岩手
震災に隠れて、全く別の土地で別人として生きているに違いない男

それでも彼本来の生き方は変わるはずもなく
だがそこが居心地悪ければ他の土地に行くのみ

そんな部分は描かれてはいないんだけれど
容易に想像がつく。

ぬらりと生きて、排水溝のような場所を通っては
時に人の生活圏に現れる。

綾野剛演じる男は、確かに
岩手での生活の中で彼との関わりが光明であったわけで
引っ張られて時に不快でも、彼の言う
「身ひとつで来いよ」の温かさは彼の体中に染み渡る。

寒さに凍え冷え切った体に飲む汁物椀のように。

難解といわれる文学作品を
ここまで豪華なメンバーで撮れるのなら アリ。
そういう出来だったと思った。

asica
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