「トンチンカン」影裏 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
トンチンカン
テーマが分からない。
テレビ岩手開局50周年記念の映画だそうだが…声を大にして言いたい。
「なぜ、これにした!?」
テレビ岩手の企画部の意図が分からない!
なんじゃこりゃ?
崩壊と再生とか、繰り返しとか、色々こじ付けられはするが…震災ネタに必然性を感じない。その前と後では、扱うネタに差異があるように思うのだ。
序盤は綾乃氏のケツがやたらにクローズアップされて、この映画のターゲットってゲイの人達なのかと勘繰る。
足からのパーンはあるわ、白いピチピチのボクサーパンツだわ、局部のアップはあるわで、その趣向を持たない俺はえづきそうだ…。トランスジェンダー的な匂いをプンプンさせてはいるのだが、泥の中を進むようで起伏に乏しく嫌悪感が先立つ。
震災前までに作り上げたものを、震災で崩壊させて、震災後には別の物を作りあげる。
外見は同じでも中身は微妙に違うとか、変化を伴わず、完全な再現など不可能だとか…そんな事??
これだってだいぶ好意的に見たこじ付けだ。
役者陣は皆さま役割以上の仕事をしてて、さすがと感嘆する。
なのだが、なんか全員泥の中で蠢いてるかのようで気味が悪い…。
この映画を通して、テレビ岩手は何をアピールしたかったのか…甚だ謎だ。
エンドロールにて、今作に原作があった事に驚いた。「原作があんのにこんなにとっちらかってんのかよ!」ってのが率直な感想だ。
てっきりオリジナルだと思ってたよ。
んで、これが芥川賞??
…嘘でしょ?
なんかヒューマンミステリーとか書いてあって、得体のしれない人物像がなんたらかんたらって書いてはあるが…なんなんだ?
自分も含めて全ての人間は得体が知れないよ。なぜそんな当たり前の事を今更…。
人は見たいものしか見ないし、見せたいものしか見せないよ。
その裏側にあるものなんて憶測以外の何物でもなくて、良くて統計的な近似値だ。
なぜ自分の見解が物事の100%だと思えるのだろうか?どこまで傲慢なんだろう?
人への印象などその最たるものだ。
…こんな事がヒューマンミステリーの発端と思いたくはないが、どおにも答え合わせが不可能な事へ、答えを出そうとする思い上がりと浅薄さに怒鳴り散らしそうだ。
脱線した自覚はあるが、とりあえず合掌。