「綾野剛のパンツが目立つ💧 ☆☆☆★(前半〜中盤) ☆☆☆★★★(後...」影裏 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
綾野剛のパンツが目立つ💧 ☆☆☆★(前半〜中盤) ☆☆☆★★★(後...
綾野剛のパンツが目立つ💧
☆☆☆★(前半〜中盤)
☆☆☆★★★(後半)
原作読了済み。簡単に。
原作は芥川賞を受賞するだけあり。まさに純文学と呼ぶに相応しいくらいに、主人公の心理描写や、主人公の目線から見える情景描写の数々が事細かに描写されていた。
それだけに、日頃からエンタメ性のある小説の読みやすさに慣れているこちらからすると。この小説に於ける、(純文学の弊害とも言えるだろうか)細かすぎるがゆえの読み辛さを多いに感じた次第。
僅か70頁弱の内容でありながら、何度もうつらうつらとなりながら予想外の時間を費やしての読了でした。それだけに、しっかりと読み込めていたのか?…は、恥ずかしながらも不明。
映画は原作に於ける最後に近い辺り(70頁弱しかないが)から始まる。いわゆる震災によって、日浅は行方不明になっているのではないか?…との疑問。
原作に於ける震災は、〝あった〟出来事としての描かれ方だった様に思えたのだけど。映画版に於いては。《それ》によって、人々の生活環境を〝一変させてしまった〟との描かれ方だった様に思われた。
震災がもたらした悲しみは、より原作以上に強調され。全ての人の人生を狂わせてしまった…かの様に。
その為なのか?原作には描かれてはいなかった描写が多く挿入されていた。
中でも驚いたのは。綾野剛演じる主人公の今野を、はっきりとゲイとして描かれていた事で、原作には出て来ない中村倫也演じる元カノまで登場する。
他にも、(久しぶりに見れて嬉しかった)永島暎子演じる隣人との関係性から、主人公である今野の人間性を。また日浅の兄役の安田顕の証言から、日浅の人間性を…と。2人の原作には登場しないキャラクターを通し、今野と日浅との人間性の違いを、対象的に描いていた様に思えた。
予告編にあり印象が強かった「人を見る時はなあ…」の台詞は、原作には出て来ないのだけど。この場面がある後半。特に父親役の國村隼の登場する辺りからは、その台詞や劇伴。筒井真理子演じる日浅に翻弄された人間の戸惑いを含め。映画全体が人間の奥底に秘められた【闇の深さ】をクッキリと炙り出して来る。
その味わいは、さながらホラー映画の様で。原作同様、それまで「少しダラダラしてるかな?」…と感じていたこちらの感情を鮮やかに一変させてしまう。
…とは言え、(個人的に感じた)映画を面白く感じさせて貰えるに至るまでが少し長かった気はしたのだが…。
2020年2月14日 TOHOシネマズ流山おおたかの森/スクリーン8