ふたりの女王 メアリーとエリザベスのレビュー・感想・評価
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酷だな
39本目。 シンプル・・・と同じスクリーン、同じ席で観賞。 まあ席は狙ってたけど。 残酷だよね。 政は嵌まった時の快感はあるんだろうけど、そうならなかった時の残酷さがね、特に昔だとそうなっちゃうんだね。 後半は作品に入っていけたけど、前半は顔と名前が覚えられないし、こいつはスコットランド側?イングランド側?はで頭の中がゴッチャゴッチャ。 年かな、いや年だな。
わたしは納得しない。
主権を有していても、望まれるのは血統の承継だけ。
その孤独を共有できるのは、同じ立場にあるエリザベスだけ。
これは本当にいいテーマだと思う。でも、この作品は、そのテーマを描ききれていない。シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーという人気と実力のある女優の出演作だけに残念だった。
本作のメアリ・スチュアートは、ブリテン島の統一によって、平和をもたらすことを期している。そのために、エリザベスに自らへの後継指名を要求している。エリザベスにも別の思惑がある。メアリとエリザベスの往復書簡に関する著作を原作としていることから、書簡のやりとりを通じて、社会に対して責任を負う者の成長が描かれるものと思っていた。そうはならなかった。
メアリは、スコットランドを混乱させるだけで何もしないのである。最初の配偶者の選択は、彼の野心に気づかなかったメアリの明らかなミスだ。混乱を生じさせることが間違いないのに、宮廷の宗教指導者を野に放ち、それが失脚の原因となる。とにかく人の助言を聞かない。
メアリはスコットランド女王であり、その地に住まう民に責任を負う者だ。彼女の評価はそれが前提となるべきで、旧態依然とした男性社会へのプロテストを描きたかったのだとしたら、この演出ではわたしは納得できない。
史実を逸脱しても、「女王陛下のお気に入り」は、絶対権力者の孤独を描いてみせた。史実を言い訳にすることはできない。
もっと観たかった
衣装、装飾、小物に至るまで全て豪華で重厚なつくり。女王たるものの気品も兼ね備え、その重責など2人とも素晴らしい表現力。どちらかというとメアリー寄りのストーリーでしたが… ただ、この2人を作品として同時に取り上げるにはやはり尺が足りない。もっと掘り下げて2人を描いてほしかった。 もっと長くてもいいから観たい…そう思うほど2人の表情、仕草が良かったのです。
【二人の聡明なイングランド・スコットランド女王と愚かな男達を描いた作品・・。】
ー 16世紀のイングランド・スコットランドが舞台の重厚な歴史物語。ー ■二人の女王が機知を巡らせ、王位に固執する愚かな男達を相手に闘う姿に感銘を覚えた。 メアリー・スチュアートに関する簡単な知識を事前に少しおさらいしておくと、更に面白く観れるのではないかな。 それにしても、シアーシャ・ローナンってどんどん凄い女優になっていくなあ。 <近年、英国王室をテーマにした映画、ドキュメンタリー映画が多数公開されているが、総じて言えるのは、聡明な女性達と、愚かしき男達で英国の歴史は築かれてきたという事である・・。> <2019年3月15日 今は無き、TOHOシネマズ名古屋ベイシティにて鑑賞。>
所詮男は種馬さ・・・ふっ。
この手の映画は鑑賞後に必ずwikiチェック。エリザベスが天然痘に罹っていた事実も『エリザベス』、『エリザベス:ゴールデンエイジ』を見ているにも関わらず、知らなかった(忘れてるだけか?)。とりあえず、メアリー1世というイングランド女王もいたため、調べたのに早速混乱してしまった。
同じ島、同じヘンリー7世の血を引く二人の女王メアリーとエリザベス。スコットランドに帰ってきたメアリーはエリザベスの王位を認めるもイングランドの王位継承権を主張。あなたが死んだら私が女王だからね!といったことだろうか、カトリックとプロテスタントという対立する宗教の問題も徐々に薄れていったような気がする。
とにかく世継ぎを産んでしまったもん勝ち!と思ったような振る舞い。エリザベスが天然痘に罹ったとか、大使や手紙を通じて宮廷同士の情報戦が展開する。政略結婚である再婚には気が進まなかったけど、同じスチュアート家の傍系のダーンリー卿ヘンリーとの結婚話がまとまる。しかし、その結婚生活もドロドロ。寵愛していた音楽家リッチオの存在もバイセクシャルっぽい謎めいたものがあり、出産したジェームズもヘンリーの子かどうか怪しいまま・・・
しかし、リッチオも殺害、妊娠判明後にヘンリーも暗殺。馬の親子のカットが意味深げに挿入され、ヘンリーが種馬として扱われなかったことに男として悲しくなるのです。こんな、ふたりの女王の確執どころではない、ドロドロしたお家騒動がスコットランドで起こっていたのだ。
終盤、なんだかメアリー自身の命を賭してまで息子に王位を与えたい気持ちが伝わってきた。斬首されるシーンも真っ赤な衣装に気高さが感じられ、スーッと英国王朝に溶け込んでしまうかのような清々しさとか没入感があった。最後のテロップによって息子ジェームズがエリザベスの死後両国の王となり、スチュアート朝が100年以上続くという言葉でなぜだかホッとした・・・
私の気持ちを知るのは、もう一人の女王だけ
裏切り、陰謀、野心、、、政略における人間の浅ましい欲望が渦巻く16世紀のスコットランドとイングランド。王位という孤独が痛ましいほどの二人の女王を、シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーが好演。シアーシャの気高さもさることながら、マーゴットの見事なほどの成りきりっぷりの見映え良さだった。 また、怖い絵展で観た「レディ・ジェーン・グレイの処刑」を思い起こす処刑シーンは、残酷さよりも気品が漂っていた。 他国の歴史(ましてやイギリスの)はなかなか知識がないために、皮膚感覚に近い理解ができずに消化不良にはなるが、風景、美術などほかの楽しみはある。
しみじみ
ステレオタイプなメアリーとエリザベスのドロドロの確執劇を想像していたら真逆なお話。ラスト2人が初めて顔を合わせるシーンはなんとも言葉にし難い感動で涙しました。 生れながらの女王ゆえに女王であることが当たり前過ぎてその座にこだわり続け戦い続けるメアリー、争いのない世界を望む優しい人でありながら女王であり続けるために女を捨てて生きる決断をするエリザベス。いずれも切ないけれども芯の通った生き方が凛々しく美しく、また隠し切れない女の弱さが、抱きしめて支えてあげたくなるくらい愛おしい。 「女王」の哀しさを描いたこの作品は、男性より断然女性にお薦めします。
予想以上に掴まれた…
映像の美しさに、その美しい映像が映し出す人間の聖性と俗性に、愛と裏切りに、献身と背信に、心掴まれて見惚れてしまった… シアーシャ・ローナンの凜とした美しさと決断に対して、醜さ(褒めてます)と逡巡で勝負を挑んだマーゴット・ロビーの役者魂に感服… なんだろう、予想外に愛おしい映画だった…
期待通り
歴史好きにとっては期待通りの展開で、何一つ驚きはないのに、女王としての二人の女性の心情に心を揺さぶられる面白い映画。 なにも驚きはないといったものの、メアリーの不思議な結婚については、こういうこともあったのかとなんとなく納得。 私の想像のエリザベスよりは弱々しいのが面白いし、Scotlandの美しい光景が見事。あれはどこなのかな?
女の王としての孤独に奮闘した者たち
ジャパンプレミアで鑑賞。スコットランドとイングランドの女王たちの信仰と権力闘争だが、同時に「女の王」であることの孤独を強烈に描き出している傑作。舞台は16世紀だが、今描かれても尚共感を呼び起こす。主演二人の演技、圧巻だった。 シアーシャ・ローナン、迫真の演技!威厳と優しさを兼ね備えている。あの時代ではまだ理解されないであろう人を受け入れ、自分を裏切った者にさえ愛情を注ぐ人であると同時に、王族としての誇りのためならいくらでも苛烈になる女王だった。ずっとギラギラ漲らせているのに、ちゃんと臣下や民には優しい目線を向ける。そのメリハリが素晴らしい。そして最後の衣裳!風格の違い、自身の主張を最後まで貫き通していた。 対するマーゴット・ロビーも凄まじく…君臨する、という言葉が相応しい立ち振る舞いに身震いする。攻撃は最大の防御という言葉を思い出すような人だった。ほしいものはどうしても手に入らず、真に分かち合える人もおらず、それでも君臨し続けた。 この二人を扱った話は以前ミュージカルで観ていたが、まるで違った印象を受けた。そちらにはオリジナルキャラクターがいて、女王でも人間なのだという面が強調されていた。けれどこの映画は人間であることも描いているのに、王であり続けた者たちの話だった。 スコットランドvsイングランドの話ではあるが、ふたりの女王は男社会の中で闘う点では同じである。女同士の闘いではない。そこを描き出していることが、重要な意味を持つ映画だ。フェミニズムに通じていて、今公開されるのに相応しい作品である。
男社会の中で戦ったふたりの女王
時代に翻弄されたふたりの女王を、ふたりの才能あふれる若手女優が演じるのを楽しむ作品だった エリザベス女王とは、かつてケイト・ブランシェットも演じたヴァージン・クイーンこと、エリザベス1世 そのエリザベス1世を、マーゴット・ロビーが演じている あの時代、16世紀のスコットランドを統治していたのが、シアーシャ・ローナン演じる女王メアリーだった 序盤は、そのメアリーがイギリスの王位継承権を持っていることを主張して、イギリスも自分のものにしようとするところから始まる その時は、野心溢れる若い女王が、のし上がっていく話なのかな…と思っていたのだけど、次第に旗色が悪くなっていく 一方で、エリザベスはそんな美貌とカリスマに溢れたメアリーを横目で見ながら嫉妬している この映画の見所は、そんなふたりの対立にある 私としては、あのエリザベス女王の時代に、スコットランドにメアリー女王がいたなんて知らなくて ほぉーと思いながら見ていた しかし、時代は16世紀、いくら女王に力があるといっても、よく思わない男性たちはいくらでもいるわけで、様々な陰謀が仕掛けられる メアリーも負けじと戦うわけだけれど… この映画の中で描かれていることが全てではないらしく、虚実を織り交ぜて描かれているらしい なので、演出もあるとは思うけど、火花散るふたりの女王の対立は、華やかで、美しく、それでいて切なさ感じられるものだった あぁ、なんて酷い時代に女王になってしまったふたりなんだと思わずにはいられなかった そして、何より、シアーシャ・ローナンと、マーゴット・ロビーのふたりを観ているだけで、十分楽しめた作品だった 今年のアカデミー賞では、衣装デザイン賞と、メイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされていて、確かに、とても個性的で美しいデザインだった
これぞ、女同士の戦いぞ!
女同士の政治バトルにハラハラドキドキ。 エリザベスVSメアリー。 イングランド対スコットランドの火花がバチバチと闘志を燃やしています。 一度も顔を見たことのない女王同士が、手紙のやり取り一つで、互いの腹の底を探りあっていく…。 妬み嫉みのドロドロしたものが、文字を通して互いの心をかき乱します。 女って恐ろしい…。 策士はどっちか? 騙されるのはどちらか? 政治と皇族の複雑な人間関係が、もつれた糸のように、グチャグチャしていました。 この静かなるバトルを繰り広げるのは、私の大大大好きなシャーシャローナンちゃん。 彼女の破天荒な役柄には毎度のこと驚かされますが、今回も見事に彼女がこの時代の女性の心をかき乱してくれました(笑) 彼女の笑顔や行動が、周りの大人たちを巻き込んでいく姿は実に滑稽。 あの傲慢なエリザベス女王でさえ、彼女のエキセントリックな行動にドギマギさせられていました。 同じ女性として協力し合う道もあったのかもしれませんが、メアリーの美しさ、母性、気品に恐れ慄く気持ちも分からなくはないかも…。 イギリスでは、たくさんの人を犠牲にしてのし上がっていくのが国家を守るためには必要なのでしょう。 エリザベス女王が国家と結婚したという言葉があるように、我が身を犠牲にして築いていった歴史がここにあります。 妥協や打算は許されず、成功も失敗も紙一重の世界。 日々の生活に危機感を常に持っていた二人だからこそ、最後の結末は致し方なかったと言えるのかもしれません…。 悲しいラストではありましたが、シャーシャローナンちゃんの涙が、息子の未来を光あるものにしてくれることを願いたい…。 今回、試写会のゲストに映画コメンテーターの赤ペン瀧川さんが登場してくださいました。 彼の斬新な切り口で、難しかったイギリスの歴史や、複雑な政治の部分を、とても分かりやすく解説してくださいました。 この映画を一言で表すなら、 「スケバン戦国時代」なのだそうです(笑) 女子同士の熱いバトルを学園ドラマに置き換えて、面白おかしく語ってくれた、楽しい時間となりました。 ありがとうございました(笑)
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