「所詮男は種馬さ・・・ふっ。」ふたりの女王 メアリーとエリザベス kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
所詮男は種馬さ・・・ふっ。
この手の映画は鑑賞後に必ずwikiチェック。エリザベスが天然痘に罹っていた事実も『エリザベス』、『エリザベス:ゴールデンエイジ』を見ているにも関わらず、知らなかった(忘れてるだけか?)。とりあえず、メアリー1世というイングランド女王もいたため、調べたのに早速混乱してしまった。
同じ島、同じヘンリー7世の血を引く二人の女王メアリーとエリザベス。スコットランドに帰ってきたメアリーはエリザベスの王位を認めるもイングランドの王位継承権を主張。あなたが死んだら私が女王だからね!といったことだろうか、カトリックとプロテスタントという対立する宗教の問題も徐々に薄れていったような気がする。
とにかく世継ぎを産んでしまったもん勝ち!と思ったような振る舞い。エリザベスが天然痘に罹ったとか、大使や手紙を通じて宮廷同士の情報戦が展開する。政略結婚である再婚には気が進まなかったけど、同じスチュアート家の傍系のダーンリー卿ヘンリーとの結婚話がまとまる。しかし、その結婚生活もドロドロ。寵愛していた音楽家リッチオの存在もバイセクシャルっぽい謎めいたものがあり、出産したジェームズもヘンリーの子かどうか怪しいまま・・・
しかし、リッチオも殺害、妊娠判明後にヘンリーも暗殺。馬の親子のカットが意味深げに挿入され、ヘンリーが種馬として扱われなかったことに男として悲しくなるのです。こんな、ふたりの女王の確執どころではない、ドロドロしたお家騒動がスコットランドで起こっていたのだ。
終盤、なんだかメアリー自身の命を賭してまで息子に王位を与えたい気持ちが伝わってきた。斬首されるシーンも真っ赤な衣装に気高さが感じられ、スーッと英国王朝に溶け込んでしまうかのような清々しさとか没入感があった。最後のテロップによって息子ジェームズがエリザベスの死後両国の王となり、スチュアート朝が100年以上続くという言葉でなぜだかホッとした・・・