柴公園のレビュー・感想・評価
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苔は奥ゆかしいんです。
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映画「柴公園」(綾部真弥監督)から。
なんだろう・・うまく言えないけれど、
観賞後、私、こういった作品好きだな・・と思った。
柴犬を連れた3人の中年男たちが繰り広げる会話劇を描いた
テレビドラマ「柴公園」の劇場版、という解説に、
私のアンテナが引っかかった。
人間とのコミュニケーションが、予想以上に苦手で、
自分の気持ちも相手に上手く伝えることができない。
そんな二人が「柴犬」と「柴犬好きの仲間」に助けられながら、
少しずつ、愛を育んでいく・・大きな仕掛けもなければ、
事件、事故も起こらないけれど、一所懸命、生きている。
主人公は「苔」を仕事として研究している設定だけど、
子供たちが「苔」について質問し答えるシーンに、
この作品を貫いている「奥ゆかしさ」が表現されている。
「苔は何の役に立っているんですか?」
「苔は花も咲かないし、食用にもならないんですよね」
「やっぱり役立たずって意味で使われているんじゃないんですか?」
そんな質問にも、丁寧に答える主人公。
「苔は奥ゆかしいんです。花を咲かせて目立とうとか、
実をならせて食べさせようとか、そういう自己主張しない。
注目されず実用されず、でもじっと人の生活に密着している、
その奥ゆかしさがいいんじゃないですか」と。
「苔」を観ていると、癒される・・という人がいるのも事実。
「苔みたいな人」「苔のように生きる」「苔のように・・」
なんだか憧れるなぁ。
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