劇場公開日 2020年3月6日

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「想定外は必ず起きます。技術者も辛いのです。」Fukushima 50 HigeKoboさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0想定外は必ず起きます。技術者も辛いのです。

2020年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

歴史に残る危機に対処する人々を描いた映画。登場人物へのインタビューに基づき”事実に基づく”と謳うある意味再現ドラマ。浪花節となるのは商業映画故でしょう。
後世に残すべき映画だと言えます。
事故調の報告書なんて見ないし、記事を読んでも抜けてしまってる。政治家、経営者、現場責任者、一社員、協力会社そして被災者、それぞれの立場で反省すべきことが見えてくると思う。
安全神話とも絡むが、プランBを口にするだけで叱責される企業風土や国民感情がこの災厄を生んだのでは。技術者から見れば妥協点(想定)を決めるのは経営者や政治家。津波が10mを超える可能性が有るのは確か。で、何メートルを想定するか。妥協点がおかしければもちろん異議を唱えるが絶対の根拠はない。
そんな中で技術者の思いも感じる。欠陥品と揶揄されたGE製F1でも圧力容器は倍の圧力に耐えた。次に作った原発は非常用発電機を高台に設置してた。
あまりニュースでは扱われなかった自衛隊や米軍も描かれていて良心的。

HigeKobo