「想定外(敢えて満点にしてます)」Fukushima 50 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
想定外(敢えて満点にしてます)
吉田所長が亡くなる前に、伊崎に宛てた手紙の内容が全てなのだと思う。
東電の役員を相手に行われていた裁判の争点でもある。
想定外なのか…。
いつか鳥インフルエンザがヒトヒト感染で大変な事態が発生することを想定して、特措法も作ってあったのに、今回の新型コロナウイルス肺炎の感染拡大にも政府が手を拱いているように思えるのは、想定外と言って良いのだろうか。
想定外は言い訳として万能なのだろうか。
福島の双葉町はずっと全域避難が続いてて、避難指示の一部解除は一昨日3月4日のことだ。
この原発事故から9年も経過している。
福島の復興はまだまだだ。
最後に、復興五輪が云々と流れるが、福島が復興してるわけではない。
今後の汚染水のことを考えると、取り得る方法は限られてて、海産物の風評被害とか想定される問題は山積だ。
あの津波は想定外だったのだろうか。
識者の助言はあったことは提言などでも明らかで、上層部はこれを知っていて、コストやなんやで放置していたのではないのか。
東電の上層部は、学者はこんなこと言ってるけど、相当なコストかかりますから、そんな大それた津波はきっとこないだろうから、対策は、このままで良いですよねって放置してたんじゃないか。
それに、責任を分散させるために、これは経済産業省・資源エネルギー庁にきっとお伺い立てていたに違いないですよね……。
これらは、多くの国民が共通して抱いている疑問だ。
このFukushima 50の勇気や行動には胸が熱くなる。
皆、生きていて良かったと心から思う。
感謝の意も伝えたいと思う。
しかし、復興もそうだが、もう生まれ育った家に帰ることさえ叶わない人も、まだ、多くいることを、僕達は忘れかけてはいないか。
今、僕達は真剣に、福島の、被災地の復興は成ったのか、今後のこうした人禍(敢えて、こう書かせてください)に見舞われることのないようにするためには、どうしたら良いのか、どのように政府や国策のエネルギー政策を監視したら良いのか改めて熟考するべきではないか。
そんなことも考えさせられる作品だと思った。
被災者の方には、この映画で、人の目が感動のストーリーに向くのではないかと懸念する人もいるように思う。
当たり前だ。
ポイントをいくつにするか逡巡しましたが、日本人はきっとバカではないから、真剣に考えてくれるだろうとの期待値で満点にします。