ブルーアワーにぶっ飛ばすのレビュー・感想・評価
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走ってたつもり
旦那有り、子供無し、同僚との浮気有りな都内在所30歳の女性CMディレクターが親友と共に茨城県の実家へ帰る話。 旦那と不仲じゃないけれど、仕事も今現在は問題ないけれど、という主人公が、親友とのお茶の後、婆ちゃんのお見舞いに茨城までGO!と車で向かうストーリーで、半分ロードムービー的な流れ。 実家の家族にも距離を感じ…というか自らATフィールド張りまくってるだけだけどねという主人公。 格好つけたいのか透かしたいのか、30歳でこれはやばいかも、兄貴のこと言えないよ、という感じから、少しだけ自分を見つめ直していくけれど、持つべきものは友だよなと。 超空気を読めるし超行動力あるしATフィールドとは無縁の親友ちゃんが有能過ぎたし、あの婆ちゃんは反則ですw 軽い空気感で笑わせ様としているのはわかるけれど、笑える場面は少々の空回り気味。生々しいところを受け入れられないヤツこそダサいのだということで、それなりには面倒くさいヤツを楽しめたかな。
頑張れ!自分!
気持ちを片方に寄せて、必死でそれをキープしよう、キープしようとしてると、なんか別の自分がいて、俯瞰して眺められてるように感じるのは、分かる気がする。 嫌味言ったり、笑われてたり、呆れられてたり…。 そいつは、そんなに自分を肯定して生きてく必要ないんじゃない?みたいな顔してる。 うるせぇーって思って萎える時もあるけど、かえってやる気の出る時もある。 なかなか面白い。 確かに、奴は、昼と夜との間、ブルーアワーの曖昧な、ちょっとメランコリックな時間帯に潜んでる気もする。 大学の亡くなったゼミの恩師が、「亡くなった友人が、いつも変わらず、自分に語りかけて、励ましたり、戒めたり」と言っていたが、それとおんなじかもしれない。僕には今や、亡くなったゼミの恩師も加わって…、めんどくさかったり、ありがたかったり。 ところで、先般、テレビで、茨城にはとても便利な「いやーどーも!」って言葉があって、ありがとうとか、すみません以外でも、驚いたとか、うれしいとか、他にもいくつかの感情を表す際に簡略的にものすごい頻度で使われるそう。 理由は、茨城は、実は昔のメインの街道から外れてて、対外的に接触の多くなかった農村部で、顔とか表情とか見てるだけで分かり合えてたという背景があって、発達した簡略表現だそうです。 ある意味、やっぱりというか、結構面倒くさいエリアですね、茨城(笑)!
カントク自身の、故郷への讃歌・自身への応援歌なのかなと感じました。
予告の映像が印象的だったので観てみました。
青い光の中を疾走するシーンなのですが、何かを暗示するもののように
描かれていました。
最初の場面では、「少女だった頃の自分」
最後の場面では、「大きくなった現在の自分」
その青い光は「夜明け」と「夕暮れ」の一日に二回見ることができるとのこと。
夜明けに続くのか
暗闇へと続くのか
最後ダンナの待つ家に帰るのが、前者であって欲しいなと思いました。
そこもまた、自分にとっての故郷になりつつあるのではないかと。
以下雑感です
病院で面会した「おばあさん」
このおばあさんが、故郷に残った唯一の「良い記憶」だったのかもしれません。
だから、おばあさんが元気で無ければ見舞いに行きたく無い。
その気持ち、分かる気がしました。
最後に
観る人を選ぶ作品と思います。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
特報で感じたぶっ飛ばすような疾走感はエンドロールだけ
松崎ナオのエンディングテーマと共に帰京の車窓風景。夏帆ちゃんが歌ってるのかと思った。 夏帆ちゃんのお母さんが果歩さん。 ドーランで酪農焼けして家事放棄、ちょっとヤバい感じと老け具合はプライベートのアレの影響が反映されてるのか。 黒田大輔がお兄さんてのも妙にハマってた、引きこもりの教師て。 日本刀振り回し腹隠して昼寝するでんでん 茨城は牛久でしょうか、牛久沼の河童 石岡市の常陸風土記の丘(巨大な獅子舞) 30歳の自称売れっ子CMディレクター・砂田は、東京で日々仕事に明け暮れながらも、理解ある優しい夫もいて満ち足りた日々を送っている…ようにみえるが、口をひらけば悪態をつき、なにかあれば 毒づいてばかりで心は完全に荒みきっている。 子持ちのプロデューサーと不倫 自分の事好きって言う人は好きじゃない 東京じゃ通用しても実家に帰れば全くもって通用しない 思い出すのは夜明けにわけもなく突っ走っていた子供の頃の記憶 都会で遮二無二頑張ってパッと見成功したかに見えるが、ふと立ち止まって周りを見た時に感じる「これでいいのか?」「このままでいいのか?」 男性より女性の方が共感が得られるのかも。特に都会で頑張る女性 実際本業CMディレクターで本作が初脚本初監督ですって。日常しかない中でキャストの妙には救われてる感じはする。
残酷な茨城
なんと、映画を観た後に監督のトークショーがある試写会に当選!答え合わせをするような、わくわくする気持ちで聞き入りました。 監督は女性で、しかも私と同年代くらい。CM業界で活躍されています。主人公まんまですね…笑。周りからも「自分出すなしw」と言われたそうです笑。 トークショーの中で、夏帆さんを起用した理由をおっしゃっていました。「彼女は10代のイメージが強いと思うが、今はもう28。どうやったって過ぎ行く時間を、彼女がそれを今どう思っているのか、ドキュメンタリーのように撮りたかった」 観客には、砂田(夏帆さん)の視点から観て、そして砂田に共感してほしかったそうです。 映画は2018年の夏に撮られたが「その時でなければこの映画はできなかったし、今日この試写会で皆さんにも会えなかった。皆さんも、今この時はまさに過ぎ去っているので、今何をするのか、この映画がそれを考えるきっかけになったらよいなと思う」とのこと。監督はこれを一番おっしゃりたかったのでは?と思います。 私もありました、砂田のようにやさぐれまくって、自分の故郷とか家族とか、変えられない自分の原点みたいなものに距離を置いて蓋をして、がむしゃらに前だけ見て走っていた時期が。止まったら、死んでしまう。止まったら、落ちていってしまう。怖れ、必死に何かにしがみつく。自分なりに深刻でしたが、それは誰しも人生のうち何度か訪れる、転換点のひとつにしか過ぎませんでした。 砂田のように、自分に自信がなかった。自分が大嫌いだった。自分が嫌いだから、自分を大切にしてくれるひとも嫌いになっていた、というわけです。 でも、茨城は、生々しい姿で、ありのままの姿で、そんな主人公を受け入れます。むき出しの命、自然、生と死、食物連鎖、そしてそれが生み出すどうしようもない闇や、時がもたらす残酷さが、そこかしこに転がっている。変わらないと思っていたものが、時の流れによって変えられてしまっている。それはどうしようもなく、砂田を困惑させます。 そんな主人公に、清は「何で距離を置くの?」と聞きます。清の秘密については、観てのお楽しみですね。私は「新聞記者」を観て、すっかりシム・ウンギョンさんのファンになってしまいましたが、今回も良かったです(*^^*) ちなみに、最近メディテーションを始めたのですが、この映画と似ていた気がします。今、ここに、この時に集中する、という意味で。
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