劇場公開日 2019年10月11日

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「邦画でのシム・ウンギョンの起用法、いまだ模索中」ブルーアワーにぶっ飛ばす AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5邦画でのシム・ウンギョンの起用法、いまだ模索中

2019年10月29日
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鑑賞方法:試写会

楽しい

今年に入って「新聞記者」そして本作と、立て続けに主役・準主役で邦画に出演したシム・ウンギョン。子役時代からの蓄積がある演技はもちろん達者だし、この2年ほどで磨いたという日本語の上達も目覚ましく、インタビューも通訳なしでこなすなど大したものだと心から思う。ただ2作とも、彼女のキャスティングが正解だったのかと疑問を感じるのも正直なところ。「新聞記者」では言葉を武器に鋭く取材対象に切り込む台詞回しが欲しかったし、今回の役についてもラストシーンの後に、「清浦はなぜ日本語ネイティブでないのか?」と首をかしげてしまう。製作陣も所属事務所も、話題性優先で必ずしも適していない役を割り当てていないか。邦画で起用するにしても、もっと合う役がきっとあるはず。

脚本も書いた箱田優子監督は粗削りだが才能を感じさせる。今回のように“仕掛け”のある話もいいが、ストレートなドラマにも期待したい。

高森 郁哉