「【都会暮しの中で、愛想笑いが貼り付いてしまった30女が久しぶりに”イバラキ”に帰省し、再生していく姿を丁寧に描き出す】」ブルーアワーにぶっ飛ばす NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【都会暮しの中で、愛想笑いが貼り付いてしまった30女が久しぶりに”イバラキ”に帰省し、再生していく姿を丁寧に描き出す】
東京で映像の仕事をしている”スナダ”(夏帆)は冒頭から観ていて切ない位に心が荒んでいる。
ぶっきら棒な話し方や自分の身の回りの様々なモノに対して斜に構えた態度が彼女の心の様を表している。
だが、ここからの強引な展開(ここは敢えて細かい突っ込みをせず映画の流れに身を任せる)が良い。えーと、この人誰だっけ?という”清浦”(シム・ウンギョン:コミカルエンギモオーケーナノネ)の車で”スナダ”の故郷へ車でGo!
久しぶりの実家は引き籠りの兄(黒田大輔)や鎧兜、日本刃収集に嵌る不愛想な父(でんでん)、イバラキ弁丸出しの母(南果歩:いやー、びっくりしました。凄いなあ。)でこちらも荒廃度合が進んでいる・・。
居たたまれず、田舎のスナックに繰り出してみればママからの強烈な一言(ここ、効果的に野太い声にアレンジされているように聞こえた)。
けれど、祖母の老いていく中懸命に生きる姿や田舎の自然の美しさ(今・昔が混然と描かれる)、久しぶりに実家で食べるお米と納豆”イバラキだからね”と味噌汁。そして、常に笑顔で”スナダ”の近くにいる”清浦”。
言葉遣いや表情がどんどん丁寧に柔和になっていく”スナダ”。
そして、あのラストシーンである。
<予測はついたのだけれども、見せ方、上手いなあ・・>
豊かな才能を持つと思われる脚本をきちんと書ける”箱田優子”監督のデビュー作。素直に喜びたい。
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