「エミネムの『8 Mile』を超えた!」WALKING MAN さっちょさんの映画レビュー(感想・評価)
エミネムの『8 Mile』を超えた!
格差激しい厳しい社会の中の底辺に居ても、変革できることを教えてくれる内容。とってもリアルさがあり、現代の社会風刺もしている。どんなにあがいても這い上がれない状況下にありながら、ラップとの出会いによって自身も変わり環境も変わっていく。ラップの韻を踏んだ言葉のひとつひとつがとっても良い。野村周平さんのラストのラップの歌声も素敵で心に響く。川崎の工業地帯の背景が光と闇を感じさせ惹きつける。出演者も素晴らしいし、カメラアングルも良く、ストーリーも見事でエミネムの『8 Mile』を超えた!って思った。中村蒼さん主演の『東京難民』を思い出した。環境のせいにするのでなく、自分が変わることで踏み出せる元気・活力を得られる今作の方が救いが大きい。自己責任という言葉が脳裏に刻まれる。何を自己責任というのかは映画を観てわかる。試写会当日にANARCHY監督と女優の渡辺真起子さん・脚本の梶原阿貴さんのトークショーもとても良かったです。日本を代表するラッパーであるANARCHYさんが低姿勢でとっても紳士的だった姿も魅力的でしたし、渡辺真起子さんが実は日本発ともいえる女性ラッパーだった(ヒップホップユニットを作っていた)ことにも驚きました。渡辺真起子さんの当時の曲を聴いてみたいと思っています。
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