「その手で来たか・・」ゴジラvsコング odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
その手で来たか・・
見どころが闘いぶりにあることはお約束、さすが予算たっぷりの最新VFXですから半端ありません、おまけにIMAXですから遊園地状態、音楽のトム・ホーケンバーグは引き受けるにあたって8フィート(2.4m)超えの特注バスドラムを要求したそうで音響効果も迫力十分でした。
問題は勝敗の行方、素人目にみても熱線ゴジラに分のあることは明らかだし、どっちに勝たせてもファンにしてみれば不満が出る、ましてドル箱のレジェンドなのだから殺すわけにはいくまいし、かといって安易な引き分けでは納得を得られない、予想としては両者善戦、ゴジラが勝負に勝って試合に負けたという日本流の落としどころも考えられるが難しい。そこで製作陣はベテランから気鋭の女流ライターまで10人を超える作家チームを集めてプロットを練ったらしい。
ウィンガード監督は前宣伝で日本版「キングコング対ゴジラ(1962)」で勝者を曖昧にしたことに多くの人が不満を抱いているだろうから本作では白黒をつけるぞと息巻いていたので期待していたが、その手があったとは、一杯食わされました。
太古からの因縁の仲とか理屈は付けるがコングはよりヒューマンチックに描かれるしゴジラは相変わらず傍若無人、コングと心が通じる骸骨島の生き残りの少女ジア、ゴジラの理解者にはキングオブモンスターのマディソンちゃんと女性ファンにも配慮がうかがわれる、ネットオタクのバーニーは邪魔くさいが今風のジュブナイル向けの狂言回しなのでしょう。
馬鹿力だけでは分が悪い、霊長類の強みとしての道具の登場、ゴジラの背びれで作った斧は凄いアイデア、コングの空中輸送や電気ショックは日本版へのオマージュっぽい、ただ小栗旬さんの役どころは意味不明、白目を剥いて怪演だが身を賭してゴジラを救ったお父さんにしてみれば不肖の息子になってしまいました、残念。