配信開始日 2018年12月21日

「アメリカ映画の新たな側面」バード・ボックス ちかしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アメリカ映画の新たな側面

2020年5月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「見えない何かに襲われる」という設定は、「イット・フォローズ」あたりからよく見るようになった気がする。でも「イット・フォローズ」は正確には「イット/何か」が見えているし、この流れで一番知名度が高いだろう「クワイエット・プレイス」もかなり早い段階で「何か」が出てきてしまって興醒めした。
ホラーにしてもそうだけど、アメリカ文化というのは目に見えるわかりやすい存在がないと恐怖を感じないようで、必ず悪魔やら何やらが姿を現す。その辺が日本文化とは全然違って、日本では「見えない存在に対する恐れ」という表現が一般的。
なので個人的にはアメリカのホラーやスリラーは少しつまらないと思っていたのだけど、監督がアメリカ人じゃないからだろうか、最後まで正体のわからない「何か」が出てきたこと自体を評価するべきと思う。
そしてこういう作品がアメリカでも高い評価を得ていることが、アメリカ映画の新たな発展なんじゃないかと期待している。
中身としても、このままバッドエンドはあまりにもむごすぎるからハッピーエンドじゃないかと思いながらも、先が読めなくてとてもハラハラした。
そしてひとつ気になるのは、「中庭」は外ではないのか?

ちかし