「希少なNetflix製作の傑作映画」バード・ボックス ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
希少なNetflix製作の傑作映画
Netflix製作の映画は正直期待外れが多かったのですが、本作は希少な傑作映画!
同じく最近Netflix製作で公開した話題作「ROMA/ローマ」はNetflix製作でこんなクラシック名画の風格漂う立派な作品が観れるとは思わなかったので、とても満足したのですが、
本作はルックがいわゆる"よくあるNetflix製作映画"という第1印象だったのですが、良い意味で期待を裏切らる大傑作!ここにきてどうしたんだNetflix!
この前劇場公開した音を立ててはいけない映画"クワイエット・プレイス"に通じる"決して目を開けてはいけない"映画で、主演のサンドラ・ブロックを始めとする超豪華俳優陣!
特にアカデミー作品賞を取ったインディペンデント系映画「ムーンライト」で大人になった主人公シャロンを演じたトレヴァンテ・ローズの演技が素晴らしかった。どこからどうみても50CENTにしか見えず、銃弾浴びても平気だろうと思ってましたが、彼のラストには思わず落涙。
ストーリーはもはやジャンル映画といってもいい"サバイバル系のスリラー映画"
内容は基本的にはクワイエット・プレイスと一緒!笑
劇中では直接描かれない"それ"が象徴するものと、鳥が象徴するもの、タイトルにもあるBIRD BOXが意味するラストシーン、ようやく辿り着いた安全地帯だが、まるで鳥籠の中のような建物だったあのラスト、私は皮肉なメッセージと捉えたんですが、どうなんでしょう!
登場人物の素性がわかっていく順番が、二つの時系列を繋ぎ合わせた話の構成によって、全くストレスなく説明される。
例えば、現代パートで子供の正体がわかると同時に、この子の正体がそうってことは実は過去ではこの母親がこうならないといけないという、この話の構成自体がサスペンスとして機能しているという非常に巧みな演出!
本当に素晴らしい演出と脚本ですね!誰が脚本家なのかと思ったら2017年個人的ベスト映画「メッセージ」で惜しくもアカデミー脚色賞を逃した脚本家エリック・ハイセラー!
本作の時系列操作は、彼が執筆予定のハリウッド実写版「君の名は。」の予行練習か!?